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2012年7月

2012年7月29日 (日)

大河ドラマ「平清盛」第2部了

Kiyo30 オリンピック中継のため9時からの放送に順延になっていた「平清盛」第30回「平家納経」、試合が伸びてさらに一時間順延となり10時02分より放送。案の定Twitterでは「崇徳院の祟りか?」と大盛り上がり。

 ホラー仕立てのその崇徳院生き霊のシーン、ハリウッド映画のような嵐の船のシーン、一転NHK歴史考証の粋を集めた平家納経作成のシーン、とドラマは相変わらず濃厚で、音楽も平家納経作成シーンでサイバーバード、福原遷都を思いつくシーンでマンティコア(タルカス)…とかなり飛ばし気味。

 正直、蕎麦を出前するのにアストンマーチンを繰り出すごとき使い方が貧乏性の作曲家としてはちょっと気になるけれど。まあ、いいか。面白ければ。

 次回、8月5日(日)からは、いよいよ因縁の源平合戦に至る第3部が始動。乞うご期待。

2012年7月28日 (土)

OSX Mountain Lion

Osx_ml 先週、MacbookAirに新しいOSX 10.8〈Mountain Lion〉をインストール。しばらく使ってみてどうやら不具合は無く大丈夫そうなので、メインマシンにもインストールする。

 昔はOSが新しくなる度に古いソフトがごっそり使えなくなってえらい目にあったものだが、今でも古いファイルなどが「開けなくなる」のがとにかく怖い。
 急にEGWord(Macの古いワープロソフト)のファイルが開けなくなって……25年分の原稿が読めなくなったのが数年前…(v_v)。それ以外にも、開けなくなった原稿・画像・音声ファイルが押し入れにどっさりある。いま普通に使っているファイルが10年20年先に読める保証は全くないのだ。

 そもそもMacにしても(現在はめちゃくちゃ羽振りがいいが)Windowsに押されて消えてしまう可能性も充分あったわけで、そうなっていたら1987年以来Macで書きためてきた25年分の原稿も楽譜も、今頃は全て「ただの開けないファイル」の山と化していたかも知れない。・・・これは考えるだに怖ろしい。

 紙の本なら50年前の物だろうが100年前だろうが「読む」のは可能だ。でも、パソコンのファイルは(物によっては)たった20年前のものが「読めない」どころか金輪際「開けない」状態になる。
 データの保存にしても、昔は(若い人は知らないでしょうが)カセットテープに保存していた。それがフロッピーディスクになって、MOやハードディスクになって、昨今はSSD・・・
 でも、カセットもフロッピーも、わずか十数年前のものが今のパソコンではもう開けない。

 こうなると、今使っているPDFとかDOCとかMP3などというファイルはいつまで開けるのだろう?とか、HPやブログやTwitterやFaceBookなどというのは10年後20年後も読めるのだろうか?などなど・・・OSやCloudが進化し便利になる度に、逆に心配になってくる。

 そのうち、音も無く人類の記憶全てが雲(Cloud)の向こうに消えてしまう…そんな未来もあるのかも知れない・・・(でも、それはそれでいいのかも知れないと思わなくもない)。

2012年7月27日 (金)

タルカス2題

Cd3fatep Keith Emersonの新譜「Three Fates Project」のサンプル盤が届く。

 ギター:マーク・ボニーラ、指揮:テリエ・ミケルセン、ミュンヘン放送管弦楽団との共演で、「タルカス」を始め、「永遠の謎」組曲、「奈落のボレロ」「庶民のファンファーレ」などを収録した〈ロック meets クラシック〉な一枚。

 もちろん一番気になったのはオーケストラとの共演版「タルカス」(20'05"でアルバム中最大曲)。全部ではないものの(特に中盤のMassやManticoreの部分など)彼に献呈した私のスコアをかなり下敷きにしているようで、〈orchestrations〉のクレジットには私の名前も・・・

 うーん、こういうことを藤岡幸夫&東京フィルとか佐渡裕&ベルリンフィルでひょいと出来ないものか・・・

 ピアノソロ〈After All of This〉がボーナストラックとして収録された日本盤(Victor)は8月29日(水)発売予定。乞うご期待。

           *

Sadokus もう一枚、その佐渡裕氏がシエナ・ウィンド・オーケストラと共演した吹奏楽版「タルカス」も早くもCDで登場。

 こちらは私のオーケストラ版スコアを元に挟間美帆さんが作成した吹奏楽アレンジ版。CD(エイヴェックス)は8月8日発売予定。

 この夏から大河ドラマ「平清盛」でも〈Manticore〉と〈AquaTarkus〉が流れるし、9月発売のサントラ盤第2集にはしっかり大河版〈噴火〉も収録。

 タルカス・・・40年の時を経てただいま増殖中。

2012年7月24日 (火)

松村禎三「作曲家の言葉」

Matsumura 師匠(松村禎三)の本(春秋社)が届いたので読む。

 生前音楽誌などに書いた文章や作品解説をまとめたものなので、一応弟子だった私にはほとんど既読のものだが、若い頃(特に三十代)の覇気と気概に満ちた文は、みな瑞々しくも懐かしい。

 昔の音楽というのは〈古い〉んじゃない。〈若い〉んだ!
 という一語は今も心に残っている。

 確かに、平安時代の音楽などは(古いといえばめちゃくちゃ古いが)とにかく自由で若々しかったに違いないし、先日解説を収録した黛敏郎「涅槃交響曲」(1958)にしろ師匠が残した「交響曲」(1965)や「管弦楽のための前奏曲」(1968)にしろ、60年代前後の彼らの音楽は(50年以上前の「古い」音楽なのに)とてつもなく「若々しい」。

 それが「型を手に入れ完成を極めた途端、(どんな音楽も)衰退が始まる」という指摘は恐ろしい。西洋クラシック音楽も戦後の前衛音楽もジャズもプログレッシヴロックも皆そうだったし、そういう師匠も、そして弟子の私も・・・(以下表現自粛)

 作曲は「道」であり「業(カルマ)」である。
 というのも師匠の言葉。

 音楽を創る…というのは、仕事でも娯楽でも趣味でもなく、武道や芸道を極めるのと同じく無欲な生涯鍛錬の《道》であり、生れ落ちた時から背負っている「そうするしかない」宿命のようなもの、というわけだ。
 これを「管弦楽のための前奏曲」をバックに唱えられると「そうかなあ」という気になって来て…おかげで二十代の数年間しっかりマインドコントロールにかかっていた(><;)

 でも、ある時ふと気づいた。
 重く言えばそうだが、軽やかに言えば・・・「♪遊びをせんとや生まれけむ」ということなんじゃないか、と。(^^;)

 音楽は確かに「Play(遊び)」なのだ。
 ただ、師匠も私も、果てしなく重く逃れようのない「遊び」を(ほかにたくさん楽しいことはあるはずなのに)一生賭けて選んでしまっただけなのである。合掌。

2012年7月22日 (日)

MacBook Air

Macbookairnew ノートブック型パソコンをMacBook Air(11インチ)に買い換える。

 iPadは本当〜に便利なのだが、やはりパソコンの代用にはならない。そこで、結局外出時にはMacBookも一緒に持って出ていたのだが、さすがに2台になると…重い・(><;)
 というわけで、なるべく軽くて小さいもの…とこの11インチ1.08kgのタイプを選択。

 話題のRetinaディスプレイ付MacBook proにも惹かれたのだが、持ち歩くのに13インチ2kgは重いのと、家では大型ディスプレイに繋いでしまうので特に高解像度である必要はない。という選択。(それにiPadが既にRetinaなので)

 それにしても、もし40年前の私がこれを見たら、「こんな小さくて薄っぺらいコンピューターで文字や楽譜や絵が書けて読めて、しかもネットで世界中と繋がっているなんて!」と驚喜し、21世紀は夢のような時代だと思うだろうなあ。

 でもね、それ以外はたいしたことないのよ、21世紀は。

2012年7月20日 (金)

サントラ盤第2弾

Tarkusq 大河ドラマ「平清盛」サントラ盤第2弾の選曲なんとかまとまる。

 第1集では60曲ほどの中から27曲選んだのだが、今度は残り100曲ほどの中から26曲。選ぶのも大変だが並べるのも大変だ・・・(x_x;)

 今回は、「タルカス(噴火)」「初音ミク版@遊びをせんとや」「カッチーニのアヴェマリア」「5月の夢の歌@アンサンブルversion」なども収録。発売は9月19日(の予定)。

 ちなみに、写真は平家の棟梁になったタルカスくん。

2012年7月17日 (火)

ブラボー!オーケストラ8月分収録

Bravoo NHK504スタジオでFM「ブラボー!オーケストラ」解説8月分2本を収録。

 8月12日(日)放送は、黛敏郎「涅槃交響曲」。広上淳一指揮東京フィル、合唱:東京混声合唱団。
 8月19日(日)放送は、ベートーヴェン「エグモント序曲」、ブラームス「交響曲第2番ニ長調」。垣内悠希指揮東京フィル。

 涅槃交響曲の回は、解説時間が少々長く取れたので、カンパノロジー・エフェクトの作り方(梵鐘の音響解析から音列を作り、それを合音にしてエコーとリバーヴをかけ、さらにオーケストレイションする手順)などについても音付きでちょっと解説。ちょうどロンドンオリンピック閉会式の日の放送、ということもあって1964年の東京オリンピック開会式で鳴り響いた歴史的電子音楽「オリンピック・カンパノロジー」(黛敏郎作曲、制作NHK電子音楽スタジオ)も聴く…というまるで違う番組みたいな一時間。d(^-^)

2012年7月15日 (日)

マンティコア疾走

Kiyo28 大河ドラマ「平清盛」第28回放送。

 第3回収録分の音楽使い初め。
 サイバーバード(第2楽章)およびマンティコア(タルカス)も早速登場。

 義朝自害の場面で「決意」がヒロイックに鳴り響き、清盛が常磐を抱くシーンで「マンティコア」が疾走するなど、音楽的にも物凄く大胆かつ「濃い」回・(・0・)・

 8月からの第3部は「諸行無常、はじまる」のだそうだ。

2012年7月11日 (水)

鳴管対談

711b サクソフォン専門誌で須川展也氏と対談。

 もちろん〈ファジーバードソナタ〉〈サイバーバード協奏曲〉がらみの話がメインなのだが、「恐竜の〈鳴管〉はサクソフォンと大きさ形が似ている」とか「ヒッグス粒子というのはエーテルと同じ感覚」とか「獺祭の二割三分というのが美味しい」など余計な話で盛り上がる。

 大河ドラマ「平清盛」では《隠し球》に彼の演奏による新録音版サイバーバードも投入予定。どこに使われるか?という興味でサックスファンをTVに引き寄せようという囮戦法・(^_^;。

 でも《隠し球》と言ってしまったら隠し球にならないのでは?というパラドックス?も。

2012年7月10日 (火)

大河ドラマ音楽全仕事

27 Blog「月刊クラシック音楽探偵事務所」7月号更新。

 今回は、大河ドラマの一年の仕事を総括する…大河ドラマ「平清盛」音楽全仕事。ざっと備忘録のように書こうと思ったのだが、思いもかけず膨大な仕事リストになってしまった。

 よくまあ、こんな仕事量を(たった一人で)やったものだ…とその無謀さに呆れると共に、最初からこんなキツイ仕事だと分かっていたら引き受けなかったのに…という感慨も。

 たぶん「もう一回やってください」と言われても、二度と出来ません。(笑)

2012年7月 9日 (月)

ポートピア@CONCERT

2012716_2 来週7月16日(月・祝)、CD「ヴィネット」でお馴染みの河村泰子さんのコンサートがポートピアホテル(神戸)で開催されます。

 4月に芦屋で開かれたリサイタルと同じく、全吉松作品という暴挙・(^_^;)。
 神戸にちなんで「平清盛」からテーマ曲なども演奏の予定。

 お近くの方はぜひ。

          *

2012920 また9月には呉(広島)で交響組曲?「平清盛」を披露するCONCERTも開催予定。

 こちらも、清盛ゆかりの地(呉)で今回の大河ドラマの音楽をオーケストラ(もしかしたら合唱付き)で聞きまくるという豪華な企画。演奏は、ピアノ:舘野泉、藤岡幸夫指揮広島交響楽団。

 ドラマの出演者も(もしかしたら)ゲストとして登場する予定。しかもNHK広島と呉市の主催なので入場無料・(^O^)/

 お楽しみに。

2012年7月 5日 (木)

朱鷺@読響シンフォニックライヴ

Yomikyo 朱鷺によせる哀歌、読響シンフォニックライヴ収録。@東京オペラシティ。

 演奏は、藤岡幸夫指揮読売日本交響楽団。

2012年7月 4日 (水)

CD舘野泉×吉松隆

Avcl25762 CD「舘野泉×吉松隆」発売。

 大河ドラマ「平清盛」で使った舘野さん関係の楽曲を集めたサントラ補完盤。(契約上、本家サントラ盤の方には収録できなかったので)

 音源は放送で使用したものではなく、CD(タピオラ幻景&アイノラ抒情曲集)で既発売のもの。「紀行三景」は書き下ろしの新録音。

 収録曲は・・・
 紀行三景
 (遊びをせんとや、友愛、夢詠み)
 アイノラ抒情曲集
 (ロマンス、モーツァルティーノ…使用)
 4つの小さな夢の歌
 (春:5月の夢の歌、冬:子守唄…使用)
 タピオラ幻景
 3つの聖歌
 (カッチーニのアヴェマリア…使用)

2012年7月 3日 (火)

ブラボー!オーケストラ7月分収録

Bravoo NHK502スタジオでFM「ブラボー!オーケストラ」7月分1本の収録。

 7月15日(日)放送分は、シェーンベルク「浄められた夜」、シマノフスキ「ヴァイオリン協奏曲第1番」(vn:庄司沙也香)。大野和士指揮東京都交響楽団。

 昔から密かに「断末魔ロマン派」と呼んでいる…20世紀頭前後に生まれた妖しくミステリアスなロマンチシズム溢れる名品2曲。
 調性が崩れるぎりぎり寸前の危うさと、濃厚でドロッとした厚化粧のサウンド。いわゆる…ナチュラル・シンプル・エコ…とは対極にある退廃美だが、そこがまた魅力。

 ちなみに「浄められた夜」は、「朱鷺によせる哀歌」の元ネタのひとつでもある。
 ポイントは・・・原曲が小さな弦楽アンサンブルで書かれ、それを後に弦楽オーケストラに仕立てた点。20代半ばに時代錯誤的ロマンチシズムへの挑戦を試みて、それが(結果的に)デビュー作になった点。そして、長じて憎まれっ子になる作曲家の若きピュアさが(かろうじて)刻印されている点・・(^_^)b

2012年7月 2日 (月)

鳥たちの収録

Tori NHK「クラシック倶楽部」(BSプレミアム)での「鳥は静かに」と「朱鷺によせる哀歌」の収録に立ち会う。

 武満徹「鳥が道に降りてきた」、細川俊夫「鳥たちへの断章」、西村朗「光の鳥」との組み合わせで、〈日本の作曲家が書いた鳥の曲〉特集。演奏は、高関健指揮東京フィル。

 鳥は静かに…は幻想的な灯りが浮遊する不思議空間での演奏。
 朱鷺…は、テレビ用の巨大なスタジオに鳥の形に作ったセットを組み、その上でオーケストラが演奏するのをクレーンカメラから俯瞰で撮るというかなり大がかりなもの。
 とても現代モノとは思えない美しくも凝った映像に仕上がりそう。

 併せてインタビューも収録。もちろん〈鳥〉について・φ(.. )。放送は9月の予定。(ちなみに、これは前回書いた短縮版《朱鷺mini》ではないので念のため)


 前後して、プログレ特集MOOK本(角川マガジン)のインタビュー取材を受ける。
 プログレ楽曲(タルカス)を無理やりオーケストラに編曲してコンサートで披露し、それをCD化し、さらにあろうことかNHKの大河ドラマに使ってしまったいきさつについて。

 平安時代とプログレッシヴロックというのはミスマッチのように見えるが、実は「雅楽」というのは、ドラムス(鞨鼓・鉦鼓・太鼓)、ベース&サイドギター(琵琶・箏)、キイボード(笙)、リードギター(篳篥・笛)と揃った平安のロックバンド。
 それが「今様(Progressive)」を演じれば、それすなわち「プログレッシヴ」「ロック」ではないか……とかなんとか・・・(^_-)-☆

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