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「Mac使い」の音楽家に話を聞くコーナーだそうだが、私のMac歴はかれこれ25年。初代Macintosh plus(1987)から数えると、この夏買ったMacBook Air(2012)で15台目。iPhoneは2台目、iPadも3台目という筋金入りのApple派である。
とは言え・・・仕事で使えるようになったのは、ここ10年といったところ。
元々は「音楽で使えるコンピュータ」が欲しくて手を出した世界だが、最初は完全に「趣味」の世界。ハッキリ言って〈(可愛いけれど)お金がかかるばかりの役立たず〉だった。(v_v)
それが今ではすっかり立派な一人前の弟子(助手)に育ってくれて・・・お父さんは嬉しい。(> <。)
感慨にふける間もなく、5枚組BOX盤の選曲(構成)作業中・・・(v_v)
今回大河ドラマのために収録した全オーケストラ楽曲+紀行4曲、舘野泉さんによるピアノ曲(アヴェマリア含む)全4曲、タルカス全3パート、サイバーバード全4パート、初音ミクで作成した今様(遊びをせんとや)およびテーマ曲のサンプル音源、ボツになったテーマ曲初稿と第2稿、およびMIDIで作ったサンプル楽曲・・・などなどのお蔵出し音源も合わせると(現時点で)全130曲5時間50分!
もう一回やってください・・と言われたら5秒で即死確実。~(x_x)~
追記:先日の平清盛コンサートの様子がNHK広島のHPで紹介されています。→★
清盛ゆかりの地呉市の文化ホール(広島)で交響組曲「平清盛」コンサート。
呉は、清盛が切り拓いた音戸ノ瀬戸があり、ドラマでも大規模な海戦シーンを撮影した地。戦艦大和を生んだ東洋一の軍港だったことでも有名。郷土ゆかりのドラマと言うことで、「毎週日曜夜8時には町から人が消えます」(市長談)という盛り上がりなのだそうだ。φ(.. )ホント?
今回はその地で、NHK広島制作による公開番組の収録に参加。全体は4楽章仕立てで・・・
第1楽章:大河音楽を創った男
・テーマ曲〜平氏(清盛)と源氏のモチーフ紹介
・友愛紀行(Sp:市原愛)
・遊びをせんとやの5つの変奏(元歌〜情歌〜破滅〜遊び歌:NHK広島放送児童合唱団)
第2楽章:俳優とドラマ音楽
・清盛の叔父:平忠正役の俳優:豊原功補さんを迎えて…闊歩〜絆(5月の夢の歌)
諧謔〜記憶〜タルカス
第3楽章:演奏家舘野泉と大河ドラマ
・舘野泉さんを迎えて…遊びをせんとや(左手ピアノソロ版)
・呉市出身の若い左手のピアニスト瀬川泰代さんを迎えて…森のジーグ(タピオラ幻景より)
・海鳴り(舘野泉さんソロ)〜夢詠み…紀行
第4楽章:交響組曲「平清盛」(朗読:豊原功補)
・テーマ曲「平清盛」
遊びをせんとや(Sp&児童合唱)
カッチーニのアヴェマリア(pfソロ)
勇み歌
決意(全員)
…という1時間半ほどの構成。お話は:私と滑川和男アナウンサー(NHK広島)。演奏は、藤岡幸夫指揮広島交響楽団。
放送はNHK総合テレビ(中国地方向け)で10月6日(土)16時〜17時15分の予定。
呉での清盛コンサートのため広島に向かう途中で京都に寄り、母が毎年出品している工芸展「明日へのかたち展」★初日を見る。
せっかくの京都だが、今回はゆっくりする間もなくトランジット(通過)。
とは言いながら、しっかり松茸と鱧(ハモ)だけは堪能。
京都文化博物館(高倉通り三条上ル)5階ギャラリーにて、19日(水)から23日(日)まで開催。入城無料。
クラシック倶楽部「鳥のいる風景〜日本人作曲家の描く魂の飛翔」放送予告。
9月20日(木)午前6:00〜6:55。
BSプレミアム(NHK TV)
朱鷺によせる哀歌:吉松隆
鳥が道に降りてきた:武満徹
鳥たちへの断章:細川俊夫
鳥は静かに:吉松隆
光の鳥:西村朗
演奏:高関健指揮東京フィルほか
(収録:2012年7月2日NHK101スタジオ)
日本人作曲家による「鳥」をテーマにした作品の特集番組。
西欧の作曲家にとっての「鳥」は(ベートーヴェンからメシアンまで)少々無機質で乾いた「さえずり機械」のイメージがするが、日本人にとっての「鳥」は「どこか空の彼方と交感している異界(魂の世界)の存在」という共通意識のようなものがある(ような気がする)。
今回選ばれた私の2曲も「異界(死の世界)」と交感するウエットな鳥の音楽。特に「朱鷺によせる哀歌」は、NHKの一番大きなスタジオに「鳥」の形をした舞台を作り演奏をクレーンカメラで撮影するという…異界の雰囲気たっぷりな中での収録。
大先輩である武満徹、そして西村朗&細川俊夫という私と同世代の名匠が描く個性あふれる「鳥」の音楽世界も是非お楽しみに。
キイボードマガジン10月号の《匠の履歴書》コーナーにインタビュー記事掲載。
音楽の話、大河ドラマの話、コンピュータの話から、自薦CD10枚、仕事場(機材やその配置)の紹介までいろいろ。(今の仕事場でこの配置の写真は、もしかしたらこれが最後になるかも)
作曲家になりたい若い人にアドバイスを、と言われて曰く・・・
ちゃんと先生について、基礎からきちんと学び、良い音楽を聞き、良い楽器で耳を育て、きちんと人付き合いもして、出来れば海外に出て見聞を広め、いい家庭を持って、しっかりお金が入る仕事をこなし、それで生計を立ててること・・・
・・・でも私は、全部(そりゃあ、もう何ひとつ!)やりませんでしたけどね・(^_^;)b。
追記 ※危険ですので絶対に真似しないで下さい。m(__)m
Blog「月刊クラシック音楽探偵事務所」9月号更新。
今回は、来年3月の還暦コンサートについての(思い出すままの)回想記・・「人間60年・作曲家35年」。
というわけで、昨夜の「平清盛」を見ていたら、私もなんとなく…還暦を期に剃髪して出家したくなってきた。
師匠とお揃いでもあるわけだし・・・(^ニ^)
別冊カドカワ〈総力特集プログレッシヴロック〉にインタビュー記事掲載。
プログレッシヴロックが日本人に愛される理由・・・という視点でタルカスや雅楽や平清盛の音楽について語る。(永野護、荒井英治、錦織健、宮川彬良氏らのインタビュー記事のほか、「なぜ日本人はプログレが好きなのか?」の座談会などもあり)
現在、日本は(オケ版タルカスのせいも少しあるのか)プログレのリバイバルで湧いている(らしい)。でも、2年前、私がオーケストラ版タルカスを発表するコンサート(2010年3月)を企画した時は、初動でチケットが100枚!しか売れず、3年で3回やるシリーズの処が2回以降は消し飛んでしまったほど。プログレ熱など微塵もなかった。
クラシック音楽界はもちろん反応ゼロ&完全無視だったし、身近な関係者も「タスカスって何?」「それをオーケストラでやるのにどういう意味があるんですか?」というレベルで理解者は皆無。本当は3回シリーズの最後の回に大トリでやるつもりだったのだが(その時は…ピンクフロイドの「原子心母」、イエスの「シベリアン・カートゥル」、アンコールに「ナット・ロッカー」!というプログラムを考えていた)、今やらなかったら機会は永遠に無いかも知れない…という危機感と虫の知らせで、相当な無理をして「タルカス」だけを初回に突っ込んだ。
結果、初演は口コミで隠れプログレファンが全国から集まってくれ、キース・エマーソンのメッセージが届いたりCD化されたり(あちこちから「実は私もプログレのファンなんです」とカミングアウトしてくる人たちに出会ったりして)大成功に終わり、現在に繋がるわけなのだが・・・本当に精根尽き果てたという感じだった。
あの時、無理して強行しなかったら、おそらくオケ版タルカスは永久に幻となり、当然ながら大河ドラマで流れることもなく、プログレのリバイバルもなかったかも知れない…と思うと苦い記憶と共に複雑な感慨が頭をよぎる。
どんな音楽も、天から自然に降ってくるわけではない。みんな(一見遊んでいるだけに見えながら)実は命がけで作っているわけなのだ。涙を笑顔で隠して。なンてね・・・
最近は「旅行」する元気はなく、ほとんど「滞在」型・・・それも森の中のホテルに籠もって珈琲(&酒)を飲みながら本を読みふけるだけという「引きこもり」型。
それなら自分の家でクーラー付けて読書してても同じじゃないか?と一瞬思わないでもないが・・・空気が違う(…と思いたい)。
それにしても、ここ1年の大仕事の疲れがまったく抜けない。体力が…というより回復力(自然治癒力?)が落ちたことをしみじみ感じる今日この頃。
最新のデバイス(iPadやiPhoneなど)なら電源に繋いで2時間もすればすぐ充電完了になるが、古い機器だとコンセントに何日繋いでも充電率10%以下のまま放電しっぱなし・・・みたいな・(×_×)
来年3月の還暦記念コンサート「鳥の響展(Tori no Kyohten)」☆ 公演情報。
2013年3月20日(水)15:00東京オペラシティコンサートホール
□第1部
プレイアデス舞曲集(p:田部京子)
ランダムバード変奏曲(p:田部京子、小川典子)
夢色モビール(vc:長谷川陽子)
タピオラ幻景(p:舘野泉)
スパイラルバード組曲(hr:福川伸陽)
夢詠み(二十絃:吉村七重)
□第2部
鳥は静かに(1998)
サイバーバード協奏曲(1994/sax:須川展也)
ドーリアン(1979)
□第3部
平清盛」組曲(2011/2)
タルカス(2010/原曲:K.エマーソン&G.レイク)
藤岡幸夫指揮東京フィル
主催:ジャパンアーツ/東京オペラシティ文化財団
チケット:ジャパンアーツぴあコールセンター(03)5774-3040
9月16日より一般発売。