ブラボー!オーケストラ収録
NHK504スタジオで FM「ブラボー!オーケストラ」来年1月分1本の収録。
今回は1月12日(日)放送分で、ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第2番」(p:中村紘子)、指揮:広上淳一(2013年4月12日第831回サントリー定期)。ディーリアス「楽園への道」「春を告げるカッコウ」、尾高忠明指揮(同6月2日第56回午後のコンサート)。演奏:東京フィル。
そもそも作曲家のリアル実像と音楽とは違うことが多い。モーツァルトの音楽を聞いたサリエリは「あんな下品な男があんな美しい音楽を書くなんて!」と嘆き、タケミツの音楽を聞いたストラヴィンスキーは「こんな厳しい音楽をあんな小男が書くとは」と賞賛し、私の音楽を初めて聞いた某プロデューサー氏は「あんな眼鏡をかけたドラえもんみたいな男がこんなキレイな曲を書くなんて!」(笑)と憮然としていたくらいで、作曲家の実像などは知らない方が幸せなのかも知れない。
ディーリアスというと高校生の時に見たBBCの音楽映画「Song of Summer」(1968/監督:ケン・ラッセル)を思い出す。晩年のディーリアスの処へ作曲の手伝いに行くフェンビーという青年視点の音楽物語なのだが、その頃のディーリアス(おそらく70歳前後)は梅毒で失明し黒眼鏡に車椅子という世捨て人に近い偏屈頑固な怖い老人。それが「夏の歌」というオーケストラ作品を作曲するのに(目が見えないので楽譜が書けないため)助手の手を借りるのだが、「チェロがD!」「クラリネットがB♭からラーラーラーとメロディ!」「対旋律が第2ヴァイオリンでフンフーン」というように矢継ぎ早に繰り出される指示を口述筆記でスコアにしなければならない。当然「書けたか?」「書けません!」「この役立たず!」というような凄まじい修羅場が展開するわけなのだが・・・この偏屈頑固な怖い爺さんの作る音楽の美しいこと美しいこと!!!

というわけで、これで今年の仕事は全て終了・・・・・のはず。
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