寄稿いろいろ
かもめブックス@リレーエッセイのコーナーに「ご当地殺人事件な旅」寄稿。
旅と本にまつわる「いい話」を、というご依頼だったのだが、なぜか旅先でご当地殺人事件のミステリ(…要するに連続殺人事件が起こった場所の地名がタイトルになっている推理小説)を読む話になってしまった。ただし話の性格上(ネタバレしてしまうので)登場する本のタイトルは「◎◎殺人事件」「XX殺人事件」と伏せ字にせざるをえなかったのが微妙なところなのだが・・・φ(.. )

伊福部さんのことは、師の松村禎三氏から色々(深い芸術論から怪しい雑談まで)漏れ聞いているので、直接お会いして話したことがないとは思えない近しい「大師匠」。松村さんが「管絃楽のための前奏曲」を作曲している頃、後半に大合唱が般若心経を歌い出すという構想を意気揚々と伊福部さんに相談に行ったところ「おまえは般若心経の何を理解して居るんだ。言って見ろ?」と一喝され、結局、大合唱を断念して「前奏曲」だけになってしまった・・・という話を聞き、(松村師もその頃は充分物凄く「怖い」師匠だったのに、その上を行くとは!と)ゴジラとイメージが重なる「怖さ」にビビッた記憶がある。どんなに優しそうで穏やかな風に見えても、「現役の芸術家」というのは牙を持った野獣であり、腹を減らした熊なみに「怖い」存在なのである。…と表紙の鋭い目の大師匠の写真を見て改めて思った次第。

こちらは指揮者を目指す女性が主人公のコミックスで、毎月連載の巻末にクラシック音楽に関わるコラムを担当。最初の頃は「指揮者のお仕事は」とか「オーケストラの楽器は」というような初心者向けクラシック紹介コラムだったのだが、最近は物語の終末に向かって「音楽とは何か」的な話にのめり込み中。
そう言えば「日本人なのになぜ西洋音楽をやるのか?」という自問に対して伊福部さんは「オーケストラなどというのは(西洋のモノなどと思わず)アラビア数字のような共有財産と捉えればよろしい」と言っていたような気がするが、そういう大局的かつ科学者的な醒めた視点が魅力でもあり「怖さ」の原点でもあったような気もする。現代ではそういう巨大な存在の「怖さ」を感じる機会はほとんどなくなってしまった・・・というより感じる感性がすっかり薄れてしまっただけなのかも知れないけれど・・・
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吉松さんの創られた大河のテーマ曲にもゴジラが登場するんですよね。ゴジラの登場をイメージ出来るようなすさまじい曲が書けるようになりたいな。
投稿: クロちゃん | 2014年6月 7日 (土) 10:08