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2014年10月21日 (火)

ロッシーニ・ルネサンス

Rossini1NHK 502スタジオでFM「ブラボー!オーケストラ」11月分2本の収録。

11月2日(日)放送分は、オール・ロッシーニ・プロで、カンタータ「ジャンヌ・ダルク」(MS:テレーザ・イエルヴォリーノ )、歌劇「ウィリアム・テル」から〈パ・ド・シス〉〈兵士の踊り〉、歌劇「セミラミーデ」序曲。アルベルト・ゼッダ指揮東京フィル(5月16日第847回サントリー定期より)

11月9日(日)放送分は、ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」ほか。ベルトラン・ド・ビリー指揮東京フィル(6月2日第86回オペラシティ定期より)

Bthvn_2 ロッシーニは、作曲家なら誰しも「こういう音楽家人生を送りたい」と夢見る巨匠だ。かのワーグナーも「ロッシーニみたいになりたい」とオペラ作家を夢見たそうで、少なくとも「作曲家として大成功な人生」というのはロッシーニみたいな生涯のことを言うのだろう。

なにしろ幼少時から音楽の才能を表し、18歳でオペラ作曲家デビューし大ヒットオペラを書きまくり、24歳で傑作「セヴィリアの理髪師」を書き上げ、30歳でパリの劇場の音楽監督に就任、年に3・4曲もの新作オペラを書きおろす超多忙生活を送り、ヨーロッパ一の人気作曲家として超セレブな生活を手にしている。(同じ頃、ベートーヴェンは50代を迎えて安アパートでやもめ暮らし。散歩していたら浮浪者と間違われて牢屋に入れられそうになったという生活である)

ところが、人気絶頂の37歳で「ウィリアムテル」を最後にオペラ断筆宣言し、40歳であっさり音楽界を引退してしまう。あとは悠々自適の隠居生活を送り、グルメとしても名を馳せ(牛フィレ肉にトリュフを乗せる料理を「ロッシーニ風」というのは彼の名から)、50代で愛妻と死別するもすぐに若い妻と再婚し、60代ではサロンやレストランを経営、76歳と長寿にも恵まれた。羨ましいったらない人生である・φ(.. )

唯一の「欠点」は、彼の音楽が軽やかでハッピーすぎて、重くて暗い音楽好みのロマン派の時代以降は評価されなくなったという点だ(実際、どんな悲劇的内容のオペラ・セリアも、彼の音楽を付けると明るく健康的な世界になってしまうので、ベートーヴェンも「キミはオペラ・ブッファ以外書いちゃダメだよ」と忠告していたそうだ)が、最近ふたたび彼の音楽の再評価が「ロッシーニ・ルネサンス」などと呼ばれて囁かれ始めた。これでまた全面復活したら「羨ましいったらないポイント」は限度額を超えそうなので、ほどほどにして頂きたいものである・_(_^_)_。

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コメント

お金=成功なんでしょうね~何でも・・・。

芸術家にとっては、世間の無理解や貧乏や早死にや耳が聞こえないというのは逆に「売り」です。最近、それで売れすぎて問題になったヒトもいたくらいで・・

でも人間としてはやっぱり、ちゃんと世の中に認められて、真っ当にお金ももらって、聴衆に愛されて、社会的な地位も得て、それなりの生活が出来て、そこそこ長生きしたいというのは当然のことだと思いますよ。

私は、シベリウスの人生も羨ましい限りです(特に後半生)。

「アイノラ」での豊かな自然に恵まれた愛妻との生活、満ち足りた年金、91歳没という長寿・・・、ああ、何と羨ましいことでしょう!!(笑)

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