冬の日のシューマン
師走の寒い雨の中、NHK504スタジオでFM「ブラボー!オーケストラ」1月分2本の収録。
1月11日(日)放送分は、ショスタコーヴィチ:祝典序曲、ハチャトリアン「仮面舞踏会」よりワルツ、カバレフスキー組曲「道化師」、シチェドリン「チャストゥーシカ」、ストラヴィンスキー組曲「火の鳥」ほか。外山雄三指揮東京フィル(2014年6月29日第60回午後のコンサートより)
1月18日(日)放送分は、シューマン:交響曲第2番。大植英次指揮東京フィル(2014年7月17日第87回オペラシティ定期より)ほか。
シューマンの第2番は、実を言うと今までちゃんと聴いたことのなかった曲だったのだが(仕事場の楽譜棚にも、1番3番4番のスコアはあるが、この第2番だけ無かった)、第2楽章のスケルツォ、第3楽章のアダージョと、なかなか絶品。バーンスタインがこよなく愛したこの曲を、その愛弟子である大植英次氏の指揮で聴く、という一夜。まだまだ知られざる名曲がある…という心地よい衝撃をもらうことになった。
そして、もう一夜はロシア・ソヴィエト作品集。知られざる名曲と言えば、ソヴィエト連邦当時から西側に知られていた上記の作曲家以外にも膨大な数の〈社会主義リアリズム〉による名曲は生まれていたはず。しかし、ソ連崩壊でゴミ箱に行ったのか燃やされたのか…それらの曲のその後の運命のことを思うと胸が痛む。「名曲は名曲として生まれるのではない。名曲に「成る」のだ」とは、何時だったかどこかで口走った妄言だが、不運なタイミングで生まれたことで名曲になれず歴史の彼方に消えていった作品は数知れない。彼らの復活と冥福を祈って、合掌。
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コメント
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「名曲は名曲として生まれるのではない。名曲に『する』のだ」と考えたのがS村河内さんだったんでしょうかね~
投稿: 裏地見る幌櫃 | 2014年12月17日 (水) 23:10