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2015年1月

2015年1月30日 (金)

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2015年1月29日 (木)

オリオンマシーン@新日本フィル

Njp150129a夜、新日本フィルの定期演奏会(第534回)での拙作:トロンボーン協奏曲〈オリオン・マシーン〉の演奏を聴きにサントリーホールへ出向く。(指揮:井上道義氏)。

武満徹(地平線のドーリア)・吉松隆(オリオン・マシーン)・リゲティ(ロンターノ)・クセナキス(ノモス・ガンマ)という…マエストロ井上らしい洒落た(しかし少し捻った)選曲の《現代音楽の古典》プログラム。(しかも特殊な配置を要求する曲ばかりなので、ステージ転換が大変そう)

Jpn129 トロンボーン協奏曲は、初演者でもある箱山芳樹氏に代わって若手の山本浩一郎氏がソロ。急の代役とあって大変だったそうだが、自在のソロで観客を沸かし笑いをとる(この曲のカデンツァは「笑わせる」のが伝統なのである)。

現実の世界は(ステージ上でマエストロが語っていたように)戦争の予兆や病そして人々の憎悪や悪意が浮遊しているが、それらも敢えて投影するのが音楽なのか、それでも自由な宇宙を紡ぎ続けるのが音楽なのか。改めて考えさせられた一夜でもあった。

2015年1月27日 (火)

腰痛のバラード

Goo

京都から戻り、今後(最晩年)の作品について構想を練る。とある楽器のためのコンチェルト、語り付きの左手ピアノ作品、書きかけで止まっているヴァイオリン協奏曲、スケッチだけの和風カルミナ・ブラーナ、メモしかない曼荼羅風味のアダージョ交響曲・・・サテ、このうちいくつ実現するだろう。

河村サンには「プレイアデス舞曲集の続編を是非!」と勧められているのだが・・・〈腰痛のバラード〉とか〈神経痛のメヌエット〉とか〈偏頭痛のロンド〉とかしか思い付かず、「わ〜夢がないですね〜」と言われる。まあ、もう夢見る歳でもないし・(=_=)・

2015年1月26日 (月)

雨の京都・異空間

Kyoto1501d冬の京都。今日は、寺町通り〜錦市場〜柳馬場通とぶらぶら歩き。

道すがら、数年前に探し当てた、ご先祖様(国学者の大国隆正)が京都に住んでいたときの邸宅跡(写真左下。柳馬場二条上ル富小路公園南)に寄ってみる。別に史跡になっているわけでもなく、碑があるわけでもなく、詳細は良く分からないのだが、ただ「ああ、この辺を散歩していたのだろうなぁ」と思いつつ通り過ぎる。京都はそういうミニ史跡だらけだ。

午後、雨が降ってきたのでお店巡りに切り替える。古書・仏具・くすり・飴・金平糖・線香・風呂敷・扇子・がま口・お茶・七味唐辛子・印鑑・筆・和紙などなど、京都は不思議なものを売っている不思議なお店がいろいろあって飽きない。しかも、こんな処(失礼!)でこんなモノ(失礼!)を売って商売になるのかしらん?と思って看板を見ると「創業X百年」!だったりするのが、しみじみ面白い。

ちなみに、うちの母方の祖父の実家は明治2年創業の老舗すき焼き屋(伊勢重)なのだが、京都では「明治創業(140年ほど)では〈老舗〉とは言わへん」そうで、その時間感覚は摩訶不思議。歩き疲れて暗くなり、街の明かりがぼんやり雨に滲み始めると、まさしく(この世ではない)異空間に紛れ込んだ気分になる。

2015年1月25日 (日)

冬の京都・初天神

Kyoto1501a先週(16日未明)〈ほんやら洞〉(今出川通りにある伝説の喫茶店)が全焼したと聞いて突然「そうだ、京都、行こう」と思い立ち、冬の京都へ。

ちょっと不思議な思い出のある店の痛々しい焼け跡(左上)に後ろ髪を引かれつつ、最近、足腰が不安な母のために〈護王神社〉(右上)に寄って御守りを入手。そのあと、初天神で賑わう北野天満宮(左下)へ。ピアニストの河村サンの娘さんが大学受験ということで合格祈願の御守りと絵馬を買い、上七軒の露店をぶらぶら。夜は祇園(右下)建仁寺裏の天麩羅屋で一杯。

昨年は、節分以来、なんだかんだで4回ほど訪京。今回は、正月行事も終わって節分までの端境期…と思ったら、思いも掛けず北野天満宮の初天神(毎月25日に行われる縁日の新春最初の会。受験生で賑わう)に当たる。いつも「通りすぎる(散歩する)」だけの"Stranger(よそ者)"としての旅だが、この街は不思議と居心地がよい(イヤ、通り過ぎるだけだからこそ居心地良くさせてくれるのだろうけれど)。サテ、あと何回来られるだろう。

2015年1月22日 (木)

和風三題

3suiASKS出版今回(1月)配本(予定)は、室内オーケストラ作品1曲と邦楽デュオ2作品の計3点。

《三つの水墨画》op.114は、京都府物産協会50周年(2013)委嘱作品として京都駅での記念式典で披露された室内オーケストラ作品。清盛の時代の京都を回想する「六波羅」、古都の空に静かに浮かぶ月を描いた「孤月」、通りの名前を歌う呪文のような童歌(…あねさんろっかくたこにしき…)のリズムによる「京童」…の3つの曲からなる。演奏時間は10分ほど。A4横組35ページ。録音はあるが残念ながら自家製盤(非売品)。

邦楽作品2曲の方は、どちらも2006年夏、邦楽作品集 《星夢の舞》に収録するため書き下ろしたもの。
《星幻譜》op.97は、笙と二十絃箏のデュオ。音取りに当たる〈序〉、緩やかな舞曲である〈破〉、そして幾分アップテンポの〈急〉…という3つの部分からなる15分ほどの作品。A4横組11ページ。
《風夢の舞》op.98の方は、尺八と二十絃箏のデュオ。風の舞1・朝凪・風色・風唄・風早・夕凪・風の舞2…という7つの部分からなる20分ほどの作品。A4横組み27ページ。
前者が「星の娘」、後者が「風の息子」という姉弟作。こちらはCD《星夢の舞》(CamerataTokyo)で聴ける。

2015年1月20日 (火)

ブラームスと曾祖父

Brahmsphoto NHK504スタジオにて「ブラボー!オーケストラ」(NHK-FM日曜日19:20放送)2月分2本の収録。

2月8日(日)放送分は、ブラームス:交響曲第2番ニ長調。大植英次指揮東京フィル(2014年7月17日第87回オペラシティ定期より)+山田耕筰:序曲ニ長調、バーンスタイン:ミュージカル・トースト。

2月15日(日)放送分は、チャイコフスキー幻想序曲「ロメオとジュリエット」、リスト:ピアノ協奏曲第1番(p:中村紘子)ほか。外山雄三指揮東京フィル(2014年9月23日第852回オーチャード定期より)

Komazo

写真(上)は61歳の時のブラームス先生(今の私と同い年・(v_v)のサイン入りブロマイド。1894年というと明治27年。私の曾祖父(写真右)がブレスラウ大学(ブラームスが「大学祝典序曲」を献呈した大学。現在チェコ)に医学留学して帰国し、日本橋に小児科医院を開業した頃である。

曾祖父は、1889年(明治22年。パリ万国博覧会が開かれた年)から2年ほどヨーロッパに居たそうなので、パリの万博でドビュッシーとすれちがい、ベルリンでチャイコフスキーのヨーロッパツアーを聴き、ブダペストでマーラー指揮のオペラを見、大学でブラームスと歓談した・・・・という可能性も(と妄想すると楽しい)。

2015年1月18日 (日)

京都〜星幻〜風夢

Scorepdf09_2しばらく怠けていた旧作のPDF(電子化)整備を(思い出したように)すすめる。

ひとつは、京都の記念祝典のために書いた「三つの水墨画」(2013/室内オーケストラ)。そして、2006年に書いた邦楽デュオの姉弟作品「星幻譜」(笙と二十絃箏)と「風夢の舞」(尺八と二十絃箏)。

いずれも(いわゆる)「和(日本)」の世界に抵触した(つもりの)作品ではあるのだが、視点に異邦の香りと乖離感があることに改めて気付く。理由は簡単で、私自身、京都を巡って「和」の世界を愛でているつもりになっていても、生活の中にもはや着物も畳もなく、洋服や椅子やベッドでないと寛げない。日本酒と美味しい和食に舌鼓を打ち「ああ、自分は日本人なのだなぁ」とどんなに感慨にふけっても、翌朝は必ずパンと珈琲。日本で生まれ育ちながら(たぶん)明治時代に初めて日本に来た外国人と同じ「異邦感」なのである。

そのくせ、最晩年は京都に侘び住まいでも持ちたいものだと夢見ているのだが・・・サテ、侘び住まいの隠居爺になっても「それら全てを含めて〈和(日本)〉なのだ」と強がりを言い続けられるだろうか。

2015年1月15日 (木)

調性で読み解く〜曼荼羅〜コンチェルト

Chocla_2 昨年出した拙著〈調性で読み解くクラシック〉の売れ行きが好調なのだそうで、出版社の方がご挨拶に来訪。

イラストをまじえての軽めな読み物に見えるので(実際、軽いのだが)手を伸ばされた方が多かったのだろうか。ただし、かなり私見を交えての危ない音楽(調性)論なので、あくまでも「ナルホド、そういう見方もあったのか」という副読本的なポジションで読んで頂きたい。くれぐれも。

そして、もう少しまじめな「音楽とはそもそも何なのか?」については、死ぬまでにちゃんと書き残しておかなければ、と改めて思う今日この頃。

              *

Mandara夕方、黛敏郎〈曼荼羅交響曲〉のスコア(Peters)が届く。

高校生の時に初めて音を聴いた瞬間から延々50年近く夢にまで見たスコアなので、現物を手にしばし感動。ただ…手書きのマニュスクリプト版だとは予想していたものの、潰れた音符とインクのシミだらけの譜面にちょっと驚く。おそらくリハーサルに使った昔の(書かれたのは1960年)劣化して薄くなった青焼きコピーから起こしたものと思われるが、NewYorkの大手出版社Petersがこの状態で出版するのだから、残されている譜面の中ではこれが一番状態の良いものだったのだろう。(現代ではスキャンして修復する技術も進んでいるので、私も自作の古い手書き楽譜ではそれをやっているが、それは書いた当人だからできること。オリジナルに手を加えるというのは…汚れを取るというだけのことでも…確かに難しいのかも知れない)。なんだか別の意味でも感動…と言うより、しんみりしてしまった。

             *

Concert夜、赤坂でとある演奏家の方とプロデューサー氏と集まって新しいコンチェルトの相談をする。具体的にどんな形になるかは未定なのだが、もし実現すれば「そんな楽器のコンチェルトあったっけ?」という超レアな作品になることだけは確か。

最晩年の透明な世界になるか、老いの無様な世界になるか・・・どちらもミューズの神の思し召し次第。

2015年1月13日 (火)

赤ネコ風ツェッペリン

Cd_ccatパドゥシャのお二人と飲み会。10年ほど前、ネコ好き繋がりで《チェシャねこ風パルティータ》というネコまみれな曲を書いたのだが、「そろそろまた何か書いてください♫」とおねだりされる。

猫と言えば・・・・昔実家で飼っていたネコに〈パゲ〉というメス猫が居た。元々はノラ猫で身体の所々が禿げた貧相な毛並みだったので「薄ッパゲの子」と呼んでいたのだが、子猫を産んだのでウチで買うことになり、略して「パゲ」と呼ぶようになった。(飼うようになると毛並みも良くなったので、この名前は当人は心外だったかも知れないが)

Redcat ところが、その彼女を病院に連れて行くことになり、受付で「お名前は?」と聞かれて、サァ困った。(なにしろ診察の順番になると「**さま」と大きな声で呼ばれるのだ)。頭をひねった挙句、少し可愛らしく「パギー」というと、「あら、変わったお名前、どういういきさつで?」。そこで、苦しまぎれに「正式な名前は〈パーガレット〉と言いまして、その愛称です」「まあ、ステキなお名前」というようなやり取りで、晴れてカルテは〈吉松パギー様〉となった。ああ、恥ずかしかった。

ちなみにローマ字で書けば〈Page(ペイジ)〉なので、オス猫だったら〈ジミー〉という愛称になっていたはず・・・と言うネタはある年齢以上の人にしか分からない。φ(.. )

2015年1月12日 (月)

祝・成人 (辛口)

Kurai40+α年前の成人式の日(当時は1月15日)、とある先輩(と言っても定年退職した六十代男性)が「そう言えば今日は成人式だな。君は行かないの?」と声をかけてきて、こう言った。

若いってことは、抽選前の宝くじみたいなものだ。自分が一等の何千万円かに当たっているかも知れないという夢を見ることが出来る。

そして、歳を取るってことは、自分がハズレくじだってことを知ることだ。しかも、宝くじってのは、99.9%ハズレくじだ。

・・・大人げないことを言う人だな、と思った・(=_=)・ いや、もしかしたら40年後の自分だったのかも知れない。

2015年1月 9日 (金)

迷人老い易く楽成り難し

Piano_cut001イギリスの音楽祭用に頼まれている小さな小さなピアノ曲と、舘野泉さんが出演するコンサートのための語り付きの作品のスケッチをぼそぼそとすすめる。

昨年一年間は頭の中をリセットするためほとんどピアノに触れることすらしなかったので、音符で遊ぶのはひさしぶり。弓道を究めた挙げ句、逆に弓に触れることすらなくなり、果ては弓の射方どころかその存在さえ忘れてしまう境地に達する…というのは中島敦の「名人伝」だが、作曲道も究めるとそのうちピアノも五線譜も「これは何だっけ?」と忘れてしまう境地になるのだろうか?(それは単なる老人ボケ・(=_=)・

2015年1月 7日 (水)

隠響堂顛末

Photo 昨年から〈隠響堂〉と号している・(-_-)zzz・のだが 、これは勿論「隠居」にかけていると同時に、私の邦楽シリーズ「なばりの三ツ」「もゆらの五ツ」「すばるの七ツ」にも因んでいる。

これらはいずれも古い日本語で、なばりは「隠」、もゆらは「響」、すばるは「昴」と書く。モユラは珠がふれ合って出す響き(も・ゆら)のことで「響」は当て字。スバルは星が統る(すばる。集まってひとつになる)ので「昴」。ナバリは実際に「隠り」と書き、「隠れる」という意味である。

Photo_3 私がこの種のタイトルにはまったのは忍者マンガで有名な白土三平氏の影響だ。彼の作品には、忍者の名前や術の名などに魅力的な響きのものがたくさん登場するのだが、そのひとつに「カムイ外伝」に登場する伊賀出身の「名張の五つ(画像→)」という忍者がいる(なぜ「五つ」なのか…はぜひ作品を読んで頂きたい)。「名張(なばり)」という地名は実際に伊賀に存在(古事記の時代から伝わるという)し、「隠(なばり)」が忍者のことを指すという人もいるらしい。女忍のことを「くノ一」(足すと「女」という字になる)というのは有名だが、このジャンルはなかなかに洒落た命名のものが多い。

ちなみに、私の作品の方の「なばりの三ツ」の読み方は「みっつ」ですか「みつ」ですか?と聞かれたことがあるが、なかなかいい質問です。「丑三つ(うしみつ)」とか「暮れ六つ(くれむつ)」あるいは「三ツ目(みつめ)」「八つ頭(やつがしら)」というように、古い日本語では「促音(ッ)」は発音しない。
なので、「隠三つ」という題なら「なばり・みつ」も有り得るが、本体がすべて三文字のシリーズなので、数の方も三文字に揃えて(現代風に)「もゆらのいつつ」「なばりのみっつ」「すばるのななつ」と読むことにしている次第である。

蛇足ながら、「三ツ」「五ツ」というのは楽章の数(曲の構成)が 「3つ」「5つ」ということ。スバルはプレイアデス星団としては七つ星なので「七ツ」。ただし日本では「六連星:むつらぼし」とも呼ばれるように星の数はまちまちである。
もうひとつ蛇足ながら、このシリーズには「四ツ」がない。ゆえに4楽章の曲が存在しない。これは差別語に抵触するからなのだが、四ツが(四つ葉のクローバーや四ッ谷はOKなのに)なぜ差別語になるのかは・・・微妙な話になるので御興味おありの方は各自(内密に) 調べてみていただきたい。

2015年1月 6日 (火)

21年目の墓参り

106

妹の命日(21年目)に、米寿の母を連れて墓参り。

最近は初詣も含め正月らしい事は何もしなくなったので、1月6日の墓参りが毎年恒例の唯一の新年の行事。

甥っ子たちとゆっくり食事をし、雨の庭園を眺め、夕方、東京に戻る。今年最初の大仕事終了。

2015年1月 4日 (日)

音楽とは何か?

Cut105年前から延々と書いては潰している「音楽とは何か?」(仮題)。年末にScrivenerという執筆支援ソフトを手に入れて、またもそもそ&細々と書き始める。

たかだか数百年の歴史しかない西洋クラシック音楽のちっぽけな世界から離れ、数万年前のメロディの誕生、さらに数百万年遡ったリズムの誕生(果ては数億年前のBeatの誕生)の瞬間に思いを馳せ、妄想と空想のアブナイ世界に遊ぶ。もちろん出版の予定も〆切もない。これぞ正しい隠居の道楽である。

昨今は、今までの人類史の常識を塗り替える発見がいろいろあるようだが、さすがに「音楽の化石」が見つかることは・・・あるはずもない。落語のように、氷河で凍っていた数万年前の古代人の「歌」が融けてあちこちから聞こえてきた…なんていうことがないだろうか。千年前に平安京に響いていた楽の音の化石でもいい。命と引き替えでもいい。聴いてみたい。

2015年1月 3日 (土)

月刊「クラシック音楽探偵事務所」アーカイヴ

Cutba_3

2006年から13年まで丸7年間連載していた月刊「クラシック音楽探偵事務所」のバックナンバー全85号の一覧ページを作成しアーカイヴ化してみた。

内容別に分類しようとも思ったが、雑多すぎて断念。さしあたり一番閲覧数の多かった大河ドラマ「平清盛」関連のページをまとめてみる。

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