夜、新日本フィルの定期演奏会(第534回)での拙作:トロンボーン協奏曲〈オリオン・マシーン〉の演奏を聴きにサントリーホールへ出向く。(指揮:井上道義氏)。
武満徹(地平線のドーリア)・吉松隆(オリオン・マシーン)・リゲティ(ロンターノ)・クセナキス(ノモス・ガンマ)という…マエストロ井上らしい洒落た(しかし少し捻った)選曲の《現代音楽の古典》プログラム。(しかも特殊な配置を要求する曲ばかりなので、ステージ転換が大変そう)

トロンボーン協奏曲は、初演者でもある箱山芳樹氏に代わって若手の山本浩一郎氏がソロ。急の代役とあって大変だったそうだが、自在のソロで観客を沸かし笑いをとる(この曲のカデンツァは「笑わせる」のが伝統なのである)。
現実の世界は(ステージ上でマエストロが語っていたように)戦争の予兆や病そして人々の憎悪や悪意が浮遊しているが、それらも敢えて投影するのが音楽なのか、それでも自由な宇宙を紡ぎ続けるのが音楽なのか。改めて考えさせられた一夜でもあった。
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