チェロのトリヴィア
NHK 504スタジオでFM「ブラボー!オーケストラ」4月分2本の収録。
4月5日(日)放送分は、ドヴォルザーク:チェロ協奏曲(vc:堤剛)。アンコールにバッハ無伴奏チェロ組曲第3番より「ブーレ」。
4月12日(日)放送分は、ベートーヴェン:交響曲第7番ほか。
演奏は、阪哲朗指揮東京フィル。(2015年1月13日、第856回サントリー定期より)
前半はチェロの名作を堪能。今、頭が宮澤賢治の世界なので、チェロのことをどうしても「セロ」と言ってしまうのだが、この「ヴァイオリンの大きい奴」という印象の〈チェロ〉、もともとのイタリア語の〈-ello/-cello〉というのは〈小さいの〉という意味(オペラの小さいのがオペレッタ…の時の-ettaのような接尾語)だというからちょっと面白い。
なぜ大きいのに「小さいの」かというと・・・もともと弦楽器の基本サイズは中音域担当の「ヴィオラ(Viola)」。
これの〈小さいの(-in)〉が高音担当の「ヴァイオリン(viol-in)」で、〈大きいの(-one)〉が低音担当の「ヴィオローネ(viol-one)」。
このヴィオローネ→は、今のコントラバスのように立って弾く大きな楽器だったので、これをもう少し小さくして普通に座って弾けるようにしたのが「ヴィオローネの小さいの(Violon-cello)」=ヴィオロン・チェロ。略して「cello(チェロ)」。
直訳すれば「ヴィオラの大きい奴の小さい奴」ということになる(言ってみれば「小さい巨人」…みたいなものか)
ちなみに「セロ」というのは(ヴァイオリンをフランス風にヴィオロンと言ったように)文学的な読み方ではあるけれど、フランス語やドイツ語ではほとんど「セロ」と発音しているようだし、英語でも「cell(細胞)」は「セル」なので「セロ」という発音もありなような気がする(もっとも、それを言ったらBACHはバックでCHOPINはチョピンになってしまうのだが)
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