御手洗潔もの
島田荘司氏が初めて「公認」した御手洗潔ものドラマ「天才探偵ミタライ」(フジTV土曜プレミアム)を録画で視聴する。
出版される作品はほぼ全部必ず読む…という作家はあまり多くないが、島田荘司氏はそのひとり。最初に手に取ったのは講談社ノベルス版「占星術殺人事件」。ただし、冒頭の奇妙な手記の部分に引っ掛かって2度ほど読むのを諦め、3度目にようやく全編読み通したというスロースターターである。
しかし、それからは文庫版・全集版・改訂版・電子書籍版…と出る度に読み返し、京都に行ってわざわざ「御手洗潔が占星術殺人事件の謎を解いた場所」である若王子(にゃくおうじ・哲学の道の南端)」に寄ったり、友人でワトソン役の石岡クンと一時住んでいたという設定の(ホームズ譚のベーカー街にあたる)横浜・馬車道も訪れた。犯人もトリックも分かっているのに再読する…という点ではまさしくシャーロック・ホームズ譚と同じ感覚である。
これだけ熱狂的な愛読者の多いシリーズなのに映像化は今回初めて(島田氏がOKを出さなかったらしい)ということだが、御手洗役の玉木宏氏は確かに適役(ちなみに彼は大河ドラマ「平清盛」の時の源義朝役で、企画コンサートの時にお会いして舞台で…のだめカンタービレでの指揮体験などについて…ちょっと話したことがある好青年)。
初のドラマ化が中編の「傘を折る女」というのは意外な感じだが、このコンビでの「占星術殺人事件」や「暗闇坂の人喰いの木」「龍臥亭事件」なら是非見たい(堂本光一氏を石岡クンに持って来たのなら彼がメインの「異邦の騎士」や犬坊里美がらみの短編もありえそうだ)。シリーズ化に期待。
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