KENJI…宮澤賢治によせる
舘野泉さんのために書いていた…左手ピアノ、語り、チェロという編成の8章からなる作品〈KENJI…宮澤賢治によせる〉ようやく脱稿。
声は付いているが歌う作品(歌曲)ではなく、セリフとのバランスとしては「ピーターと狼」に近いが、音楽劇…というほど筋書きはなく、語られるのは現代詩(もちろん宮澤賢治)ながら 「月に憑かれたピエロ」のように現代風ではない。むかし声楽の丹羽勝海さんとやっていた「モノドラマ」シリーズの姉妹作(実際、ベースは20年ほど前に書いたモノドラマ用台本)といった処だろうか。
賢治のことばは、冷たく理知的な科学者の視点があるかと思えば、そのすぐ裏で純情な感傷の世界にも振れる。なので、音楽もロマンティックからモダンへそして無調からセンチメンタルへとゆらゆらと揺れる。
ただし、今回は賢治の死生観に関わる幾つかの「こわい」ことばや、「亡き妹」という共体験(賢治も私も妹を病気で亡くしている)への共振が加わり、かなりセンチメンタルな方の世界に深入りしてしまった気がしないでもない。
初演は、6月3日(水)東京オペラシティ〈舘野泉リサイタル〉。演奏は、ピアノ:舘野泉さん、語り:柴田暦さん、チェロ:多井智紀さん。舘野さんも…弾き語る予定。
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