卒塔婆小町の3つのワルツ
昨年途中まで進めていながら、その後すっかり忘れていた「卒塔婆小町の3つのワルツ」op.115を楽譜にまとめ始める。
この曲は、三島由紀夫の近代能楽集「卒塔婆小町」と「葵の上」を根岸吉太郎監督でDVD化したもの(2013)の音楽で、クラリネット、チェロ、ピアノという小ぶりの編成の計10分弱の小品。
三島の「卒塔婆小町」は、能の題材を現代に翻案した戯曲集のひとつで、鹿鳴館の時代から生きている老婆であり少女でもある不思議な女性と詩人との怖くもミステリアスな物語。当然、舞踏会シーンを回想するところにワルツ(シュトラウスのワルツの暗〜い変形)が聞こえてくるのだが、それがなかなか気持ち悪くも気持ち良い出来に仕上がったので〈壱のワルツ〉〈弐のワルツ〉〈参のワルツ〉としてまとめることにした。
ただし、作業していると暗〜いワルツが頭の中でループし始めてちょっと怖いので、早く仕上げねば・・・。