緑のワルツ
5月になって木々の緑を見ると「緑のワルツ」が頭の中でくるくると鳴り始める。
私の曲には何故か昔からワルツがらみが多い。ふと思い付くメロディが(変拍子以外は)割合3拍子なのだ。現代音楽の時代に現代音楽の先生からは「なんでまたワルツなの?」とよく皮肉られたものだが、起源は良く分からない。
ただ、大河ドラマの音楽をやっているとき、3拍子こそは「平和の音楽」となんじゃないか?とふと思い付いた。2拍子4拍子はイチニ・イチニと前進する「戦さ」の音楽だが、3拍子だとイチニサン・イチニサンでくるくる回って前進できない「非戦」の音楽になる。そこで今様「遊びをせんとや」は武士に対抗する非戦の象徴として(平安時代当時はおそらく有り得なかっただろうけれど)敢えて3拍子で作ってみた。
…のだが、意地の悪い作曲家から「西欧の3拍子はギャロップ(馬の駆け足…パカラッ・パカラッで3拍子)が起源だから、立派に戦争できるリズムだよ」と言われて、また分からなくなってしまった。スウィングの3連符も含め「(2拍子や4拍子でない) 奇数リズム」は直進せず「回る」「揺れる」気がしていたのだが。