葵祭
京都御所建礼門前で葵祭の行列を見る。
葵祭は京都に1400年前から伝わる由緒ある祭礼で、メインは天皇の勅使が御所から上賀茂神社まで向かうこの大行列。馬に乗った検非違使、供物を持った従者たち、しずしず歩む女官たち、牛車、それを先導する童たち、斎王代を乗せた御輿、飾りの付いた傘(風流傘)…などなど総勢500人以上全長約1キロの行列が10時半に門を出てから、通り過ぎるのに約1時間。
天気は良く、上々の祭り日和だったものの、夏のような暑さと日差し。「(5月の)葵祭なのに(真夏の)祇園祭みたい」と愚痴りつつも平安絵巻を堪能する。
そのあと、最近新しく改装された国立博物館に寄って「桃山時代の狩野派」展を鑑賞。贅沢に金箔を使った平和な時代を描いた絵が多く、大仏殿(今はなき方広寺の京都大仏)前での民衆の群舞を描いたもの(豊国祭礼図屏風)などなかなか圧巻。
こういう古い絵を見るたびに、描かれた小さい人物たちが持っている「楽器」が気になって仕方がない。貴族が描かれた絵には雅楽の楽器(笙や鉦)が見えるが、庶民の場合はほとんど笛と太鼓のみ。それでも、それを囲んで楽しそうに踊っている風景をじっと睨みつつ「どんな音楽が鳴っていたのだろう?」と念じていると、頭の中に音が聞こえてくる(ような気がする)。
夜は、ピアニスト河村泰子サンの京都在住の知り合いさんに紹介された堺町二条の「恒屋伝助」という人気の居酒屋へ。
初めて伺う店ながら、ご先祖の一人(国学者:大国隆正)が170年ほど前に京都で私塾を開いていたという小宅跡から徒歩数十歩の至近距離。なにやら因縁めいたものを感じる京都の夜・・・