音楽の中の第3の神
NHK503スタジオでFM「ブラボー!オーケストラ」7月分1本の収録。
7月5日(日)放送分の、ベートーヴェン「エグモント」序曲、モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調(vn:堀米ゆず子)、小林研一郎指揮東京フィル(2015年3月15日@第861回オーチャード定期および同12日第92回オペラシティ定期より)。後半はリロイ・アンダーソン「シンコペイテッド・クロック」「トランペット吹きの休日」「おしゃべり(フィドル・ファドル)」、尾高忠明指揮東京フィル(2015年3月7日@響きの森クラシックVol.51より)
今回は期せずしてクラシック系3パターンの音楽の競演。ベートーヴェンは酒飲みバッカス(ディオニソス)的な陶酔と羽目外しの音楽。対してモーツァルトは調和と抑制のアポロ的音楽。最後のアンダーソンはそれを横目に笑っているトリックスター的な音楽。(…とギリシャ神話の2神になぞらえたのはニーチェだが、第3の神には名前がない)
おそらく音楽家がみな目指すのはアポロ。ただし、これは「なりたくてもなれないもの(天才)」の象徴。対してディオニソスは、アポロになる過程で何かが欠けていて「なりたくはないのになってしまう」異端の荒ぶる神。そして、そのどちらにもなれず賢愚の狭間から両者を笑い飛ばすのが第3の神……なのだが、もしかしたら、それこそが「人間」ということなのかも知れない。
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