祇園祭@山鉾巡行
台風11号の雨の中、祇園祭のハイライト山鉾巡行を見る。
台風直撃で中止も有り得たらしいが、さすが祇園祭。巡行が始まる9時頃にはなぜか雨も小やみになるという不思議。京都だけ台風よけの「結界」がある…という話をふと信じてしまいそうになる。
ただし山鉾を飾る水引や前懸は雨よけのビニールで覆われ、山の頭を飾る鮮やかな人形や蟷螂などは(強風で壊れたりしないように)カバーを被っていたり取り外されていたりと、かなり地味め。しかし最大25mもの高さの色鮮やかな建造物が大勢の曳手に引かれてごろごろと大通りを行くのは圧巻。
二十三台の山鉾が全て出揃ったあたりで土砂降りの雨になるも、♪コンチキチンというお囃子の音だけは遠くで鳴り続け…これも不思議な音響世界を醸し出す。
ちなみに、むかし(1988年)京都からの委嘱で書いた〈一角獣回路〉という曲は、祇園祭の先頭を行く長刀鉾の麒麟(一角獣)の絵→が街中をぐるりと回路図を描くように巡行することから命名したもの。なぜ〈麒麟回路〉でないかというと、そうするとサントリーホールで演奏できなくなるから(笑)
追記:夜、八坂神社の前に白装束の男衆が集まり、三基の神輿を掲げて街中を練り歩く〈神幸祭〉が始まる。こちらも楽しみにしていたのだが、土砂降りに近い雨。遠くに聞こえる声だけを愛でながら木屋町の料理屋で静かに酒を飲む。これもまた良き哉。