夏の終わり
8月いっぱい…という約束だった「クラシック音楽大事典」改訂復刻版のイラスト描き直し120ページほどをなんとかクリア、〈KENJI…宮澤賢治によせる〉改訂ピアノ伴奏版のスコアも最終稿に辿り着き、ようやく夏の終わりが見えてくる。
そう言えば昔から、「夏休みの宿題」は〆切(8月末)の一週間ほど前(まさに25日頃)には仕上げる性格だった。そもそも切羽詰まった状況に追い込まれて仕事するタイプではなく、作家としてモノを創り始めてからも、〆切直前にジタバタした記憶はあんまり無い。
とは言っても、余裕があって創るというわけではなく、「中盤」あたりに最もヒートアップし追い込みがかかるタイプ。作品がどろどろと流動性に富む感が一番楽しくも燃える時期で、いろいろなイマジネーションがそれこそ火花のように降り注ぐ。
逆に「終盤」になり〆切が近付いてくると、仕上げとチェックなど事務作業が主になり(作業はハードになる反面)熱は冷めてゆく。そして、仕上がる頃には出来具合を客観的に採点する「冷たい目」になっている、という感じだ。
・・・考えてみれば、音楽も同じで(実を言えば、コンサートで一番盛り上がっているかに見えるフィナーレも、もう「あとは終わるだけ」という点で作る側も演奏する側も意外に冷めていたりする)、ついでに言えば、人生も(?)同じかも知れない。