イエス、タケミツ
クラシックの作曲と現代音楽とプログレの間に挟まれ悶え苦しんだ70年代の異端な青春?を愚痴る「作曲家から見たイエス」寄稿。
同時に、先週から少しずつ読み進めていた立花隆の大著「武満徹・音楽創造への道」ようやく完読。今年没後20年を迎える武満さんへの膨大な取材をまとめたドキュメンタリーで、文学界に5年にわたって連載されていながら氏の逝去のため中断し、その後20年近くお蔵入りになっていたもの。音楽の専門知識のない人が作曲家の頭の中を探る…というのはかなりの難題だが、すぐ「天才」とか「感動」とか情緒的な言葉で纏めてしまいがちな(あるいは逆に素人には理解不可能な専門用語で煙に巻く)音楽関係者と違い、どこまでもジャーナリストらしい微に入り細に入りのしつこさで検証してゆくリアルさが実に面白い。
このイエスと武満徹、どこか似ている感じがするのだが何故だろう?と考えるうち思い当たったのが、彼らの音楽をレコードジャケットで視覚化したイエスのロジャー・ディーンと武満徹の宇佐美圭司の存在。必ずしも音楽的にイコールとは思わないが、アートなレベルでうらやましいほど見事に一体化していた。
ちなみに、武満さんはビートルズの「サージェント・ペパーズ」はかなり評価していたようだが、その後のプログレッシヴ・ロックに関する発言は寡聞にして聞いたことがない。あれだけ色々な音楽を聴いていた人だから(ピアソラの初来日の時、会場でお見かけしたことがある)、意外と面白がっていたのか、あるいは一刀両断だったのか・・・そのあたりもちょっと聞いてみたかった気がする。
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