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2016年3月

2016年3月31日 (木)

グスタフ・アマデウス・M

Mozartmajler

NHK 605スタジオでFM「ブラボー!オーケストラ」4月分2本の収録。

4月10日(日)放送分は、マーラー交響曲第4番。ソプラノ:森麻希、井上道義指揮東京フィル(2016年1月21日第98回オペラシティ定期より)。

4月24日(日)放送分は、モーツァルト:2台のピアノのための協奏曲(p:児玉桃、カリン・K・ナガノ。指揮:尾高忠明。2015年7月12日第866回オーチャード定期より)、同:交響曲第33番。井上道義指揮東京フィル(2016年1月21日第98回オペラシティ定期より)

マーラーの第4番は、一見極めてモーツァルト的で幸福感に満ちた音楽…のように聞こえるけれど、専制君主的な指揮で名を馳せた独身四十男のひねくれ作曲家が書いた交響曲が、シャンシャンシャンと軽やかな鈴の音で始まって最後に女の声で「♪天国はいい処よ〜」と歌うわけで……考えてみれば「怖い」。音楽自体は全然怖くないが、それがまた「怖い」。

2016年3月29日 (火)

ネコ派クラシック

Cheshirecatr夜、パドゥシャのお二人(山口多嘉子サン、小柳美奈子サン)とCD《チェシャねこリターンズ〜吉松隆作品集》発売記念祝賀?飲み会。

しかし、これはまた可愛らしくも「ヘンテコリンな」アルバムが出来上がったものだ…と感慨しみじみ。様々な音楽がシャッフルされブレンドされていてクラシックの「まじめさ」はほぼゼロ。ただし美しくしなやか。徹頭徹尾「遊んで」作った…と言えばそうなのだが、子供もネコも「遊ぶ」時にこそ本気かつ全身全霊を投入するわけで、ふざけているわけでは微塵もない。

ネコのように遊び、ネコのように自由。これを〈ネコ派クラシック〉とでも呼ぼうか。

マイナーレーベル(失礼!)発だし、〈ネコ派クラシック〉という新参ジャンル?なので、サテ、どのくらいの人に聞いて貰えるのか…というあたりは定かではないが、ネコのように緩く、ネコのように孤高。それもまた「ネコ派」の証なり。

花見@東京

201603天気が良くなったので、母を連れて(毎年恒例の)東京花見小旅行。

まだ満開には少し早かったが、千鳥ヶ淵・靖国神社・新宿御苑…と回る。

千鳥ヶ淵(左上)・靖国神社(右上)はまだ咲き始め。とは言えあちこちピンポイントで咲いている木もあり、ぽかぽか陽気に誘われて人出も多し。

新宿御苑(下)は広い園内あちこちに様々な種類の桜があるので、咲いている木を選んで寄り添えば充分に満開の気分。

青空を背にしてほんのり赤みを帯びて咲き誇る白い花びらを見ると、「あぁ、またひと冬を越したのだなぁ」…という実感が(歳とともに)じんわり身に染み入る。

2016年3月28日 (月)

ペンギン公園の午後@パ・ドゥ・シャ

パ・ドゥ・シャの新アルバム「チェシャねこリターンズ」より《ペンギン公園の午後》。 HomePage〈音楽室〉にアップしました。

2016年3月25日 (金)

お知らせ

Hpnew_2ホームページ《吉松隆 交響曲工房》 引越のお知らせ

本日(3月25日)より下記に移転しました。

2016年3月21日 (月)

引越の季節

Homepages2002年3月に開設以来14年ほど使っていたNiftyの@HomePageが今年9月を持ってサービス終了となる…のだそうだ。

そこで、ホームページをそのまま生かしたければ〈@HomePage〉から〈@ホームページ〉に移行せよと言う。古くなった旧社屋から新社屋に引っ越すみたいなことらしい。

というわけで、4月の新年度を目標にホームページの引越し作業をしなければならないことになった。URL(住所)が変わってしまうので、あちこちのLinkが消えて行方不明っぽくなるのか、あるいは簡単に検索されて全然何も変わらないのか、そのあたりは良く分からない。(ちなみにこのブログの住所は変わらない)

思い起こせば、最初にパソコン(PC8001)に触ったのが1979年、音楽に使い始めたのが1982年。パソコン通信…という言い方でネットに参入したのが1987年(当時はまだ黒電話の時代である!)。そしてホームページを作ったのが2002年3月。ブログが2006年2月…。

最近ではブログよりTwitterにさらにFaceBookやLINEにとコミュニケーションツールは目まぐるしく変化し、10年前など「大昔」の感がある。家を引っ越してもネット上では不変のアドレスが保証されると思っていた電子メールも、さて、10年後にも果たして存在しているのかどうか・・・

いや、その頃には本人が別の意味での「宛先(受取人)不明」になっているか・・・

2016年3月19日 (土)

夢あわせ夢たがえ

Yumeawこの7月に久しぶりに再演されることになった「夢あわせ夢たがえ」の楽譜を整備する。

手書き時代(1998)の曲で、しかも邦楽器(二十絃箏)と洋楽器(クラリネット、ヴァイオリン、チェロ)という摩訶不思議な組み合わせ。当然ながらちょっとパソコン入力できないタイプの楽譜なうえ、大元の原譜がなくてコピーの薄いコピーしかなく、復元にひと苦労する。

元々はウィーンのクラリネットTRIOのメンバーと二十絃箏の吉村七重さんの箏との共演のために書いた作品で、ウィーン風B♭管クラリネットの美しい音色に引きずられて、およそ邦楽器には不向きな〈変ロ長調〉で書いてしまったのだが…(この編成で変ロ長調と来たら、Mozartしか思い浮かばない!)、これがまさかの夢見るような美音の世界を生むことに。

ちなみに、この和洋折衷カルテット版(これがオリジナル)のほか、邦楽器のみのアンサンブル版、二十絃と室内管弦楽による協奏曲版が存在する。個人的にもお気に入りの一曲である。

2016年3月17日 (木)

春・・・免許更新

Tocho運転免許証の更新に新宿都庁へ行く。

むかしむかし、作曲家になると決めた頃、身分証明になるものが必要になると考えて取ったものだが、運転自体は貧乏時代に原付で配達のバイトをやったくらい。完璧なペーパードライバーである。

30歳でお酒を飲み始めてからは旅先でちょっとレンタカーを借りて…ということもやめたので、かれこれ30年以上運転はしていない。というわけで返上しようかとも思ったのだが、路上で不審死したとき身分証明になるか、と「もう5年」だけ更新をすることに。

講習を受けて新しい免許証を貰う時「はい、これであと5年」…と言われ、「え?あと5年ですか?」…と一瞬、生きるのにも更新手続が必要な「世にも奇妙な物語」の世界に入り込んでしまった。まだエマーソン・ショックが残っているようだ。

ひさしぶりに歩いた「下界」は、天気も良くぽかぽか陽気。足元がふらふらすると思ったら、頭の中でタルカスが鳴っていた。2本足に5拍子はすごく歩きにくい(当たり前だ)。そのあと郵便局に寄ったり銀行に寄ったり年度末の「雑務」をこなす。もう春か・・・春なのか・・・

2016年3月14日 (月)

キース追悼

Tarkussあれからキース・エマーソンのアルバムを聴き続けている。まさか「タルカス」を聴きながら涙を流す日が来ようとは、思ってもいなかった。

初めて会ったとき、この曲のオーケストラ版を本当に喜んでくれて「でも、どうして僕の曲を?」と聞かれたので、「オーケストラで鳴らすことでクラシック音楽界にもKeith Emersonの名を知らしめ、20世紀音楽の重要な作曲家のひとりとして残って欲しいからですよ。ピアソラのように」・・・と答えたところ、「そうなったら本当に嬉しい。ところで、ピアソラって誰?」

彼はロック界屈指の偉大なキイボーディストだが、本人は「音楽家、いや作曲家と呼ばれたいね」と常々言っていた。クラシックの演奏家たちがその音楽の素晴らしさに気付き、ピアソラが「タンゴ界の異端児」から「20世紀の重要な作曲家」になったように、大河ドラマやオーケストラの定期演奏会で「タルカス」が取り上げられ、未来は始まったばかりだったのに。

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訃報に続いて伝わってきた英語版の記事によると、やはり指が動かない疾病で「完璧な演奏が出来ない」と悩んでいたこと、日本でのコンサート(この4月)を控えてバックアップのキイボード奏者の手配までして万全を期していたこと(それでも「もしうまく行かなかったら」「ファンを失望させたくない」と非常にナーバスになっていたこと)、昨年のコンサートのライヴ演奏を見た心ないファンからの「もうやめればいいのに」というコメント書き込みを見て落ち込んでいたこと、日本公演を終えた後は引退を考えていたこと、などつらい話が聞こえてくる。

私の還暦コンサートでの「タルカス」の演奏の後、スコアの表紙に〈To Maestro Yoshimatsu "I'm honored to know you" Keith Emerson〉とサインをくれたのは宝物だ。

キース。私こそ、貴方に(そして貴方の音楽に)出会えたことを本当に心から光栄に思います。

130320

2016年3月12日 (土)

キース・エマーソン氏死去

01_2朝、キース・エマーソン氏の訃報に接する。

先日、オケ版タルカスの再演(佐渡裕指揮東京フィル)を聞いたばかりで、来月(4月)には来日してコンサートという話があり楽しみにしていたのだが。享年71。

06彼は、ちょうど3年前(2013年3月)、私の還暦コンサートに来てくれて「タルカス」のオケ版を一緒に聴き、ステージで「Happy Birthday」の即興演奏まで聴かせてくれた。

08_2 リハーサルの前にステージ裏で、ニヤリと笑って「誕生日のプレゼント!」とクシャクシャの5ポンド紙幣を呉れたのが初対面。CD用に作ったタルカス・フィギア(震災で破損してしまった)とも対面し、終演後のパーティではスピーチまでしてくれ、楽屋では冨田勲さんとの初対面も実現。凄い一夜だった。

07 タルカスは最初から「いつかオーケストラでやりたかった」そうで、EL&P時代にオーケストラとの共演も試みている(その時、ピアノ協奏曲も書いている!)。

05_2ただし、オーケストラからの風当たりは強かったようで、日本のプロのオーケストラが一所懸命自分の曲を熱演してくれたのが(しかもコンサートマスターの荒井英治さんはキースを「神!」と言い切るプログレおたく)心底嬉しかったようだ。

のちの対談で、私の父が国際電話の技師だった事を話すと、彼の父親も電話技師だったと言い「それでムーグ(シンセサイザー)が気に入ったんだよ。ほら、あれって電話の交換機みたいだろ?」。

02数年前から、神経系の病気で指が動かなくなることがあるのを気にしていたが、死因が(拳銃)自殺らしいと聞き、痛ましい思いと共に、音楽家(表現者)の心の底にある闇を改めて感じる。合掌。
Tear_2

2016年3月11日 (金)

祈りと希望

Tabe銀座のヤマハホールに田部京子ピアノ・リサイタル ピアニッシモ〜祈りと希望〜を聴きに行く。

アヴェマリア(カッチーニ)で始まり、アヴェマリア(シューベルト)で閉じる3.11に捧げるコンサート。前半はプレイアデス〜シベリウス〜グリーグ〜ドビュッシーと抒情的な小品を優しく紡ぎ、後半はブラームス(主題と変奏)〜ベートーヴェン(ソナタ第31番)をじっくり聴かせる。

白眉はやはり最後のベートーヴェンで、回顧と諦めと希望の狭間を揺れる老巨匠の心情がひたひたと胸に迫る名演。彼女はデビュー時から(なぜか)作曲家晩年の作品(シューベルト、ブラームス、ベートーヴェン)が得意で、背中に哀愁を背負う男の心の奥を(不思議な天女のような眼差しで)描ききる。

アンコールの最後は(3.11の追悼の意もこめ)照明を落として「アヴェマリア(シューベルト)」。微かな照明がピアノに反射して壁にマリア像のような光の像が浮かび、音楽と相まって思わず目頭が熱くなった。

2016年3月 7日 (月)

ギリシャからタルカスへ

20160307

ギリシャのEvmelia音楽祭へ送るメッセージビデオ(私の作品を特集するコンサートの前に流すらしい)を撮りにジャパンアーツへ。

「Skypeで生放送という手も…」と言われたが、それは恥ずかしいのでビデオ収録。「1分間」「編集無し」を条件に一発撮りして、5分ほどで終了。

そのあと、サントリーホールへ。佐渡裕指揮東京フィル定期での〈タルカス〉を聴きに行く。

こういうタイプの曲(「春の祭典」のようにリズムが勝った曲)はサントリーではやりにくい(鳴りすぎて音像が拡散してしまう)のが心配だったのだが、やはり箱(ホール)の性格のせいかオーケストラがうまくなりすぎたせいか、狂喜乱舞の「ロックンロールSHOW」にはなりきれなかった気がする。それだけホールに「上品オーラ」があるわけなのだが、前日のオーチャードホールではどうだったのだろう。

307s終演後、マエストロの楽屋を訪問。「実はあれから、キース(エマーソン)と飲んだんですよ」とのこと。タルカスもウィーンで演奏したことがあるらしい。

破天荒な曲ではあるけれど、「展覧会の絵」のようなオーケストラのレパートリーになってくれたら嬉しい。

2016年3月 3日 (木)

ジャンとパウル

PauljeanNHK 402スタジオでFM「ブラボー!オーケストラ」年度末分2本の収録。

3月27日(日)放送分は、昨年8月に行われた「広島交響楽団・平和の夕べ」の第2回。レズニコフ「ホロコースト」朗読(アニー・デュトワ、平野啓一郎)に続いてヒンデミット:交響曲「世界の調和」。指揮:秋山和慶。

4月3日(日)放送分は、2015年度放送分から印象に残った演奏を集めた「ヨシマツ・セレクション」。昨年生誕150年だったシベリウス(フィンランディア)、若手演奏家による協奏曲(チェロ上野通明のドヴォルザーク、ピアノ仲道郁代のシューマン)、アニメ特集回(残酷な天使のテーゼ、創聖のアクエリオン)、そしてバッティストーニ指揮の「シヴァの女王ベルキス」など。

Jeanpaul_2ちなみに写真は両日の核となるパウル・ヒンデミットとジャン・シベリウス。シベリウスの方が30歳ほど年上だが、第2次世界大戦後まで生き延びた同時代人。音楽は似ていないが、その反骨精神と容貌が似ている不思議な二人・・・

         *

Taxanda_2収録後、税務署に寄って確定申告。音楽の世界からいきなり現実に引き戻される。

2016年3月 1日 (火)

音楽と物語の世界

Photo舘野泉さん草笛光子さんによる〈KENJI…宮澤賢治によせる〉再演について打合せ。

6月から、大阪、札幌、松江など日本各地で〈音楽と物語の世界〉と題して公演が行われるということで、演出や音楽と語りの組み合わせのバランスなどについて相談。

この公演の前後にも、草笛さんは舞台公演や大河ドラマ、舘野さんは一晩で3つの協奏曲(6月)&4つの協奏曲(11月)コンサート…で大忙しの日々。

私も六〇を超えて気分はすっかり「老境」なのだが、20歳近く年上のお二人の元気さを見ていると「若造」に思えてくる次第・・・

◇コンサート〈音楽と物語の世界〉〜舘野泉80歳記念&宮澤賢治生誕120周年記念:6月20日(月)いずみホール(大阪)、6月28日(火)札幌Kitara小ホール・・・

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