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NHK 401スタジオで「ブラボー!オーケストラ」7月分の残り1本の収録。
今回は7月10日(日)放送分で、ラドミル・エリシュカ指揮札幌交響楽団によるウェーバー「魔弾の射手」序曲とブラームスの「交響曲第2番」(2014年11月14日@札幌交響楽団第574回定期演奏会より)
この2曲、並べて聞くとロマン派の響きの源泉である「ドイツの暗い森の風景」が見えて(聞こえて)きて、「なるほど」と得心するところがある。シベリウスの交響曲第4番もフィンランドの暗い森に足を踏み入れて初めて「そうか、こういうことか」と身に染み入るのと似ている。
ただし同じ暗い森でも、(私がよく散歩に出かけるご近所の)明治神宮の森からブラームスやシベリウスは聞こえてこない。おかげで私の交響曲はみんなこの森で生まれている。「風土」というのはそういうものなのだろう。
NHK 405スタジオでFM「ブラボー!オーケストラ」7月分2本の収録。
7月3日(日)放送分は、チャイコフスキー「弦楽セレナーデ」@指揮:小林研一郎(2016年1月30日@第54回響きの森クラシックより)。ルロイ・アンダーソン「アイルランド組曲」より4曲@尾高忠明指揮東京フィル(2015年7月5日@第64回午後のコンサートより)
7月17日(日)放送分は、メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」(vn:成田達輝)、レスピーギ「ローマの松」@アンドレア・バッティストーニ指揮東京フィル(2016年5月14日@第56回響きの森クラシックより) 。
収録終了後、番組ディレクターとして2003年FM「シンフォニーコンサート」の頃から担当だったS氏が退職するということで慰労会。前のオリンピック(1964年)を期に新築された渋谷のNHKも新しく立て直すことになったというし、時の流れをしみじみ感じる一夜。
とは言え、まだ〈亡くなった〉とは信じられなくて、今にも「やぁ、来てくれたんだね」と笑顔で現れ「いやぁ、ちょっと銀河鉄道に乗ってみたくなって留守にしただけなんだよ」とてれながら話し始めるような…そんな気がしてならなかった。そんな思いは皆同じらしく祭壇は「銀河鉄道」をイメージして作られたとのこと。
最近スコアはほとんどPDFで保存しiPad(Pro)で見ることが多くなった。
紙の楽譜は(特に厚いものになると)平面を保つのが難しく、大判の物は持ち運びが不便。ミニチュアスコアは軽くて小さい点はいいが音符が小さすぎて老眼にはつらい。その点、電子版ならiPad一台に数百冊だろうが保存でき(実際、自作のスコアは全てPDF化し常時持ち歩いている)、暗いところでも寝転がっても何時でも何処でも読める。便利きわまりない。
とは言え、全貌をパラパラと一瞬で読み取れる紙の楽譜の有効性もゼロになったわけではなく、見開きでの情報量や即書き込みが出来る利便性はまだまだ電子端末より上。なのでピアノの前に置くのはやはり紙の楽譜だ。
と思っていたら、見開きの楽譜専用電子端末(GVIDO)が近々登場するそうだ。まだ開発中(市販はされていない)とのことだが、ほぼA4見開き2ページサイズ(W480xH310)の電子ペーパー製。薄いiPad を2台左右に組み合わせたような形状で厚さ5.9mm、重さ約650g。(ちなみにiPad Proは6.9mm、713g)
PDF楽譜を2面連動で読めるほか、外枠スイッチで譜めくりが出来、付属のペン(Wacom系)で書き込みも出来る(ただしカラーではなく白黒グレー仕様)。microSDカード装着で楽譜データを読み込めるようなので、オーケストラのパート譜などにも使えそうだ。
楽譜専用…としてどこまで普及するか未知数だが、見開きでもっと軽くて薄いタブレット端末(電子ペーパー製)は絶対欲しいと前々から思っていたので、期待大。