夏の特番@音楽のつぼ
FM夏の特番(8月末放送)の打合せにNHKへ。
今回は、喜怒哀楽などを表現する音楽の「つぼ」について、作曲家の視点から(職業上のヒミツも含めて)語り合うトーク番組…らしい。
実を言うと、音楽というのは(リズム・メロディ・ハーモニーそれぞれに)かなり「薬物」的な効能があり、AをXg投与するとヒトは「興奮」し、BをYg注入すると「涙腺が刺激」され、CをXg服用すると「眠って」しまう…というような即物的な面がある。
なので、それらの成分や服用法そして致死量?などを,生体実験(生演奏)しながら研究するのが「作曲」であり、その研究の果てに純度の高く効率的な成分を抽出し上手く調合すると…注文に応じて自由自在に「喜怒哀楽」を描けるようになる。(それが「プロの」作曲家ということになるだろうか)
ただし、だからといって度を超すと音楽は危険薬物になる。例えば、ある薬を服用してヒトが突然笑い出し(喜)激怒し(怒)、泣きわめき(哀)飛び上がって乱舞(楽)し始めたら、それは「アブナイ薬」として即使用禁止になるように、「万人が感動して有無を言わせない」ような音楽が存在したら、それは逆に「危険」と言える。
聴く人の愛国心をかき立て独立の機運を煽ったゆえに政治的に演奏禁止になる…というのは(大スタジアムに集まった数万人の観衆を熱狂させるロックコンサートと同じく)作曲家にとっては逆に勲章かも知れないが、かき立てすぎて戦争や侵略に繋がってしまったら洒落にならないことも事実。(実際、第2次世界大戦で我々はそうした音楽の危険性も思い知ったわけだ)
なので、喜怒哀楽のような感情を絶対にかき立てない(聞いて何の感情も浮かばない)音楽…というのも現代では必要とされ生まれてきた。しかし、それが高じると今度は「不安」という別の感情をかき立てるわけで……音楽というのはなかなかに難しい。
・・・というような話になるかどうかは、さだかではない。
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