ステンドグラスとヴァイオリン
NHK 401スタジオでFM「ブラボー!オーケストラ」2本収録。
9月11日(日)放送分は、レスピーギ「教会のステンドグラス」。バッティストーニ指揮東京フィル(第881回サントリー定期より)ほか。
10月2日(日)放送分は、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(vn:神尾真由子)、小林研一郎指揮東京フィル(第55回響きの森クラシックシリーズより)ほか。
レスピーギの「教会のステンドグラス」は、ステンドグラスに描かれた(想像の)4つの宗教画によせる30分近い交響絵巻。グレゴリオ聖歌の古風な旋法を使いつつ、オーケストレイションはどこまでもレスピーギ流近代豪華絢爛カラフルサウンド全開で、(ほぼ同時期に書かれた)「ローマの松」を彷彿とさせる名品だ。
続くチャイコフスキーの回では、ヴァイオリン協奏曲の多く(ベートーヴェンもブラームスもこの曲も)がなぜか「ニ長調」で書かれていて…という話から脱線して、「世界の基準音」としてのReの話を少し。
実を言うと古代中国でも日本でも基準となる音は「レ」(中国では黄鐘、日本では壱越)。西洋でも「D」は「Deus(神)」のDであり、昔はしっかり特別扱いだった…ような気がするのだが、いつの間にか「ド」が基音になってしまった。その顛末については拙著にもちょっと書いたが、♯♭系の音を「変化記号」としてしまった五線記譜法とそれを黒鍵に追いやってしまったピアノ系キイボード楽器の影響が大きそうだ。
とは言え、それも人類数千年の音楽の歴史から見れば「ここ数百年のちょっとした流行」にすぎない…と言えなくも無い(のだが、基準からずれ神をないがしろにした音を鳴らし続けて数百年。これが老い先短い文明の「最後の流行」になるかも知れない…と考えるとちょっと怖い気がしないでもない)。
« 日本庭園でのプレイアデス舞曲 | トップページ | Finale2014と2014.5 »
「仕事&音楽」カテゴリの記事
- 対談@都響WEB(2024.09.20)
- 草津の夜(2024.08.30)
- Finaleのフィナーレ(2024.08.27)
- 草津音楽祭オープニング(2024.08.17)
- お知らせ:草津音楽祭(2024.08.07)