道 La Strada
FM「ブラボー!オーケストラ」10月分2本の収録にNHKへ。
10月9日(日)放送分は、ニーノ・ロータ組曲「道」ほか、バッティストーニ指揮東京フィル(第881回サントリー定期より)。
10月16日(日)放送分は、ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界から」ほか。尾高忠明指揮東京フィル(2016年7月4日@第1回平日午後のコンサートより)
ニーノ・ロータの「道」は、フェリーニ監督の映画「道(La Strada)」(1954)の物語をバレー化した舞台の組曲(全7曲)なのだそうで、この機会に、映画「道」を何十年ぶりかで見直してみた。
旅芸人で力持ちの荒くれ男ザンパノ(アンソニー・クイン)、それに尽くす女主人公ジェルソミーナ(ジュリエッタ・マンシーナ)、自由な綱渡りの男(リチャード・ベースハート)…の悲しく切なく不器用な三角関係。旅芸人やサーカスが登場する舞台で、ヴァイオリンやラッパ類などの音楽も物語を彩るのだが、さすがロータ節(ゴッドファーザー・ロミオとジュリエット・太陽がいっぱいなど名作多数)は泣かせる。むかし名画座でみた記憶が蘇り、ラスト(荒くれ男のザンパノがジェルソミーナを思い出して浜辺で号泣する)シーンの切なさにすっかり胸打たれてしまった。(個人的には、リチャード・ベースハート…「白鯨」の青年役や「原子力潜水艦シービュー号」の提督役の役者さん…がお気に入りで、彼がイタリア語を喋っている不思議な世界が夢のよう)
かつて「映画音楽みたい」というのはクラシック系純音楽作品を貶す侮蔑の言葉として使われたものだが、それも今は昔の物語。そのうち「現代音楽みたい」というのが褒め言葉になる日も来るだろうか。
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