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2016年10月

2016年10月31日 (月)

Haloween?

Halloween渋谷はハロウィーンで大晦日のような大騒ぎである。

不思議な祭りが流行り出したものだ…と思っていたが、そもそも日本でのクリスマスというのも似たようなもの。戦後、旧アメリカ進駐軍施設(ワシントンハイツ/現在の代々木公園)でアメリカ人たちが12月になるとツリーを飾ったりプレゼントを渡したりしているのを見て(渋谷・銀座あたりを中心に)商業的に拡大したものと言う。

実家はワシントンハイツの真ん前だったので、そう言えばクリスマスの導入は早かった。「面白そうなモノ」を取り込む人たちはいつの世にもいる。昔の世代にとっては「何だか良く分からない騒ぎ」だが、これも「日本の文化」として定着してゆくのだろう。

2016年10月27日 (木)

ブラボー!オーケストラ収録

Jupitera

NHK 403スタジオでFM「ブラボー!オーケストラ」11月分2本の収録。

11月6日(日)放送分は、モーツァルト:交響曲第41番「ジュピター」(指揮:三ツ橋敬子。第2回平日の午後のコンサートより)、ホルスト:組曲「惑星」より「木星(ジュピター)」・ワーグナー楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲(指揮:D.エッティンガー)…ジュピターとハ長調つながりの輝かしい曲3題。

11月13日(日)放送分は、ベートーヴェン:交響曲第7番(指揮:ミョンフン。第885回オーチャード定期より)、ロッシーニ歌劇「ウィリアムテル」序曲(指揮:バッティストーニ)。演奏:東京フィル。…こちらは疾走感とリズム感が心地よい名品2題。

           *

収録前、来年のニューイヤーコンサートの件でもちょっと打合せ。ちょっとしたアレンジスコアを書かなければならない…という話で真っ先に心配になったのは、肘の神経痛より「Finaleが大丈夫かどうか?」という点。現在使っているFinale2014dは最新のOSX Sierraで今のところ無事に動いては居るが、改良版の筈の英語版Finale v25は10.12.1で早速クラッシュしているらしく「MACと相性がいい」という神話は崩壊しつつある。(ちなみにSibeliusの方は8.4.2でSierraに順応済とのこと)。世界中でプロが毎日(〆切に追われて)使っているだろうに、ロシアンルーレットみたいな不思議なソフトである。

2016年10月24日 (月)

iPad肘の憂鬱

Elbowl数年前から患っていた自称「iPad肘」がここ一週間で悪化する。

症状としては、左肘の痛みを中心に、左肩の肩こり+上腕・前腕外側の痛み+手首・掌側部・小指の痺れ…(つまり背中から左腕の側部全体が指先まで神経痛のような状態)。要するに左手一本が使い物にならない。

長年の右手のマウス肘(肘を浮かせてマウスを扱うことによって起こる炎症)は、ターボマウスを使うようになって解消したが、左手のiPad肘は6年めのiPadPro(713g)+寄る年波(要するに加齢)で限界に達したものらしい。考えてみれば、ワープロ&パソコンを本格的に仕事に使い始めてちょうど30年。10万時間目の勤続疲労?という感じなのだろうか。

整形外科での診断は「肘部管症候群」(ちゅうぶかん・しょうこうぐん)だが、長年のデスクワークで首の関節(頸椎)が前傾気味の「ストレートネック」になっていることも原因とのこと。しばらく左手でiPadを持つことは厳禁である。

ちなみに、通常のデスクワーク(デスクトップパソコン&キイボード)は、背中真っ直ぐ&肘90度・首真っ直ぐ前方の正しい姿勢を心がけていれば(時々走る痛みに「いたた…」と耐えながら)なんとかこなせる。ただし、前傾姿勢になる・左手で本を持つ・ピアノで左手パートを弾く…はいずれもNG。もしピアニスト(キーボーディスト)あるいは指揮者だったら、演奏家人生の終わり(左手がダメなので「左手のピアニスト」としての再起も出来ない(泣)だっただろう。

姿勢の悪いデスクワークを続けている方、「肩こりで死にはしない」と高をくくっている方、くれぐれもお気を付けください。

2016年10月16日 (日)

鳥のシンフォニア@新交響楽団リハーサル

Sinfoniab池袋芸術劇場にて新交響楽団の「鳥のシンフォニア」リハーサルに立ち会う。

この曲は、2009年仙台ジュニア・オーケストラ創立20周年記念の委嘱で書かれた20分ほどの小交響曲で、初演の指揮者:山下一史氏による7年ぶりの再演。

曲は Prelude / Toccata / Dark steps / Nocturne / Anthem の短い5章からなり、鳥の囀りから現代音楽&Free Jazz風即興、ミニマル系アレグロ、ビッグバンドジャズに映画音楽風ロマンス、とどめに大河ドラマ風コラールまでが満艦飾に登場する。もともと「若い」オーケストラのために書かれた「サウンドのパレット」的な曲だが、指揮者のひとこと二言のアドバイスで演奏や音が成長してぐいぐいと音楽になって行く課程が心地いい。

新交響楽団創立60周年第235回演奏会
・吉松隆:鳥のシンフォニア”若き鳥たちに”
・伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ
・ブラームス:交響曲第1番
指揮:山下一史
2016年11月3日(木祝)東京芸術劇場
14:00開演
1016a

2016年10月13日 (木)

NHK音楽祭オープニングコンサート

NhkmNHK音楽祭2016オープニングコンサート(@NHKホール)に出演(&FM生放送)する。司会:ふかわりょう、大林奈津子。

昨年(2015年)に続いて2度目となる今回は、オープニングの「祝典序曲」(ショスタコーヴィチ)の後に登場。解説を務めている番組「ブラボー!オーケストラ」のお話をし、今年のテーマ「お祭り」に因んで選曲したマリンバ協奏曲「バードリズミクス」のフィナーレ(鳥の祭)の演奏に立ち会う。マリンバ:三村奈々恵、鈴木優人指揮東京フィル。熱演。

Nhko そのあと、「きらクラ!」のBGM選手権(実演版)に、西村朗・片山杜秀両氏と一緒にかり出されてふたたび登壇。「朗読される詩(新美南吉「木の祭り」の一部)に合わせたクラシック名曲を選曲し、朗読に合わせてオーケストラで生演奏する…という豪華な「お遊び」。

私が選曲したのは、リスト「前奏曲」(第3部:田園の安らぎの部分)。客席からの拍手で「ベストBGM賞」になりました。

2016年10月 5日 (水)

須川展也 Masterpieces

Sugawamp須川展也氏の新譜〈Masterpieces〉届く。

チック・コリア:ソナタ 〈Florida to Tokyo〉
ファジル・サイ〈組曲〉
吉松隆〈サイバーバード協奏曲〉ピアノ・リダクション版

…という収録曲3曲はいずれも氏による委嘱作だが、ジャズ界の巨匠の新作が一番クラシカルかつ正攻法で、一応クラシック界の私の作が一番ジャズっぽい…というのはご愛敬。才人ファジル・サイの新曲も含めクラシックとジャズとエスニックの階層を自由に交叉させる視点は、一昔前ならかなり「異端」なアプローチだが、今ではごく「普通」。これが「当たり前」になるまでにはそれはもう大変な苦労があったわけなのだが…そんなことは微塵も匂わさずジャンルを超えた楽想を自在に吹きまくる彼のサックスは安定感に満ちている。

今となっては、これが当たり前でなかった時代など(スマホもネットも存在しない時代のことをもはや思い出せないように)想像も出来ないが、現代音楽のコンサートでドリア旋法の曲を書いたり、リサイタルで突然フリージャズスタイルのアドリブを吹き出すと、「気が違ったか!」と聴衆の目が点になった25年前も…懐かしいと言えば懐かしい。

そのうち2045年のシンギュラリティ(技術的特異点)を超え、「そう言えば、昔は音楽って人間がやるものだったような気がする。今となってはもう思い出せないけど…」などと懐かしく回想する日も来るのだろうか。

2016年10月 3日 (月)

八橋検校と金平糖

Kyoto161003a昨日の講演で八橋検校のことをネタにしてしまったので、黒谷の金戒光明寺まで墓参(&御礼)に行く。

寺の一番奥まった高台の上(文殊塔の裏)にあるので、当然ガイド(矢印)くらい立っているかと思ったら何もないので吃驚。さらにTAXIの運転手さんも「有名な方なんですか?」と聞くので二度吃驚。

8hashiそもそも八橋検校のお墓参りに沢山の人が来るので、お箏の形に見立てた干菓子→を参道の茶店で売るようになったのが「八ツ橋」の起源ですよ…と説明すると「へぇ、そうなんですか」と言うので三度吃驚。(ということは京都の方なら誰でも知っていると思って話した昨日の八ッ橋ネタは意外と分かる人が少なかったのか?と思い当たって冷や汗)

Kyoto161003b
というわけで、帰りに参道の聖護院八ッ橋(写真左)に寄り、昔ながらの固い旧八ッ橋と柔らかい生八ッ橋を購入。

Konpeitoついでに百万遍近くの緑寿庵清水(写真右/金平糖の専門店)にも足をのばしてみる。最近は日本酒やブランデーの金平糖も作っているとかで狭い店内は良い香り。最新作はハロウィン向けのカボチャの金平糖なのだそうだ。そのうちアイスクリームの金平糖!などというのも出て来る?かも知れない。

2016年10月 2日 (日)

京都音楽家クラブ講演

Chroni京都音楽家クラブ60周年記念例会に招かれ、「調性で読み解く京都の音楽」というテーマで講演を行う。

人前で講演をする…ということはまずやらないのだが、今回は「京都」に惹かれてふらふらとお引き受けしてしまった。ちょうど、大河ドラマ(平清盛)の仕事以来、京都(日本)と西洋の並行音楽史のようなことに興味があったので、人類400万年の音楽の歴史〜平安京の音楽〜日本と西洋の音楽の出会い〜音楽の現在と未来…というような大風呂敷を広げたお話を、パソコン2台を持ち込んで「画像」と「音源」を流しながら1時間ほどさせていただいた。

弦の3分の1部分を押さえることから生まれる「完全5度」の響きが多様な音階をうみ、それが五行思想と絡まって東西南北・春夏秋冬(青龍・白虎・朱雀・玄武)の「調べ」を生む…というあたりは、平安京の碁盤の目の中(しかも会場となったホテルは御所のすぐ近く)に居ることを思うと感動を新たにさせられる。

PhotoPhoto_3さらに、江戸時代の箏曲の名手(「六段」の作曲者)八橋検校が亡くなった年にバッハが生まれている…という視点で見ると、西洋クラシック音楽の歴史というのは御菓子の八ッ橋(箏の形に見立てて作ったと言われる京都を代表する御菓子)とほぼ同じ…という話にすんなり「あはは」と笑えるのは京都ならでは。

おまけに、1889年(明治22年)にブラームスやチャイコフスキーやマーラーやドビュッシーやシベリウスが現役でひしめいている頃のドイツに医学留学した曾祖父(駒造)の話をしたところ「その人、知っている(名前を聞いたことがある)よ」と仰る医学関係の方にもお会いして吃驚。

話していて自分自身も改めて勉強させられた意義深い一夜となった。ご静聴下さった皆様に感謝 。

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