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2017年3月

2017年3月27日 (月)

グリーグとラフマニノフ

GriegrafmaninovFM「ブラボー!オーケストラ」4月分2本の収録にNHK605スタジオへ。

4月9日(日)放送分は、グリーグ:ピアノ協奏曲イ短調(p:小山実稚恵)指揮:小林研一郎(2017年2月4日第59回響の森クラシックシリーズより)を中心に、ブラームス:ハンガリー舞曲第1番ほか。

4月16日(日)放送分は、ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番(p:松田華音)指揮:バッティストーニ(2017年3月13日第108回オペラシティ定期より)ほか。

Gr_2グリーグとラフマニノフは、共に希代のメロディメイカーにしてピアノの名手で傑作ピアノ協奏曲と数多くのピアノ名品を残しているという点で非常に似たタイプの作曲家。ただし、身長は対照的だ。グリーグは身長152cmとかなり小柄で手も小さく、性格は明るく温厚。愛妻家(声楽家の奥さんも小柄な人で、二人が並ぶとまるで妖精の夫婦のようだったそうだ)。

一方のラフマニノフは、アメリカに入国したときにプロボクサーと間違えられたというエピソードがあるほどの大男(身長は198cmという)。当然手も大きく、片手でピアノの1オクターヴ半の鍵盤を楽々押さえ自在に弾きこなしたという。しかし、その外観に似合わず性格は内向的で神経質&憂鬱気質。

と、見た目も性格も全く対照的な二人だが、この二人の音楽に共通する極めてナイーヴな感覚は、もしかしたらこの身体的コンプレックスに起因する処が大きかったのでは?と思うことがある。実は「才能がある」ことより、「何か人に言えない劣等感を持っている」ことの方が、大きな個性や生きる証として強く長く一生を左右することが多いからだ。

恵まれていることが天才の資質なのではない。むしろその逆に、恵まれていないことこそが天才を生む要因なのかも知れない…(と、そう思いながらコンプレックスの塊だった自分を奮起させていた昔をふと思い出す)。

2017年3月18日 (土)

When I'm Sixty Four

64

ここ数日、頭の中で鳴り続けているのが…

Will you still need me
Will you still heed me
When I'm Sixty Four...xx

というフレーズ。
初めてこの曲を聴いた頃(1967年。ちょうど50年前!)は、自分がまさか作曲家になって64歳まで生き延びるとは夢にも思っていなかった。

人生がクーポン券に変換可能なら、残る寿命は全部どなたかに差し上げて、そろそろ京都のネコにでも生まれ変わりたい…とひそかに思う今日この頃。

2017年3月10日 (金)

春の名残のタルカス

TarkusFM「ブラボー!オーケストラ」3月分の残り2本の収録にNHK503スタジオへ。今回は、2016年度に放送した演奏の中から選んだ〈吉松隆セレクション2016〉

第1回は3月26日(日)放送分で、10代20代の若い演奏家にスポットを当てた回。時間の都合で抜粋になるが、成田達輝(メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲)、小林愛美(モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番)、岡本侑也(ドヴォルザーク:チェロ協奏曲)、神尾真由子(チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲)、牛田智大(ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲)、そして最後にバッティストーニ指揮で交響曲第5番〈運命〉を聴く。

第2回は4月2日(日)放送分で、コープランド:市民のためのファンファーレ(指揮:川瀬慶太楼)、ニーノ・ロータ:組曲「道」(同:バッティストーニ)、伊福部昭:SF交響ファンタジー第1番(岩村力)、キース・エマーソン「タルカス」(佐渡裕)、そしてアンダーソン:アイルランド組曲から「庭の千草」(尾高忠明)。いずれも演奏は東京フィル。

Keith004実は、今日3月10日は、キース・エマーソンの命日(ちょうど1年前の3.11に訃報を聞いた)。そこで、因縁の「タルカス」をメインに、冒頭にELPの演奏でヒットしたコープランドのファンファーレ、締めにイギリス民謡の「庭の千草(夏の名残のバラ)」を配し、密かに追悼と敬愛の意味を込めることに。

・・・ちなみに原曲の民謡は、夏の名残に一輪だけ残ったバラを自身に見立て、愛する人を失い老境を迎える寂しさをこう歌う。「すぐに私も後を追うだろう。心が枯れ、愛するものが消え去り、この荒れ果てた世で一人生きることなど私にはとても出来ないから…」。勇壮なタルカスに心躍らされつつも、寂しさに胸塞がれる思いがする。合掌。

2017年3月 3日 (金)

所沢のチャイコフスキー

BravooNHK605スタジオでFM「ブラボー!オーケストラ」3月放送分2本の収録。

今回は、2月17日に所沢のミューズ・マーキーホールで行われたこの番組の公開録音から、グリンカ「イワン・スサーニン」序曲、チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲(vn:辻彩菜)、交響曲第6番〈悲愴〉。

演奏は三ツ橋敬子指揮東京フィル。放送は、前半(序曲&協奏曲)第1回が3月12日、後半(交響曲)第2回が3月19日。

2017年3月 1日 (水)

確定申告と銀河盛

Tax2014確定申告をしに税務署へ。

何年か前からネット上で申告&納税できるe-taxを推奨されているのだが、いまだに「紙に書いた申告書を持って自分の脚で税務署へ」というスタイル。まぁ、何十年も続けている儀式みたいなモノなので、今さら変えられないという感じだろうか。

ちなみに、収支や経費および税金の計算は、30年前(1987年)Macを導入したときにEXCELで自作したソフトがまだ現役(もちろん税率そのほか詳細は国税庁の最新版確定申告作成コーナーに沿っている)。

なので1988年からの帳簿は全てEXCELに残っている…のだが、残念ながら2000年以前(OS9)のモノは現在のバージョン(OSX)では開けない。まだ「作曲家では食えない」時代のものなので、今見たら、きっと目を覆いたくなるような年収なのだろうな、きっと。

Ginngamori_2夜、録画してあった「平清盛」再放送を見る。最近ケーブルTVで再放送中だが、これが「銀河盛(チャンネル銀河で放送している平清盛)」と呼ばれて、Twitterで盛り上がっている。

5年前の放送の時も、本放送が「本盛」、BSで2時間早く見るのを「早盛」、ドラマの場面をイラストにするのを「盛絵」、DVDなどBOXで見るのを「箱盛」、空想の再放送を楽しむ「エア再盛」、などなど色々な楽しみ方をしてくれていたのだが、今回も14時からの放送が「昼盛」、夜24時からが「夜盛」と呼ばれ、登場人物たちの仕草やセリフ一つ一つ(あるいは音楽の付け方)についてリアルタイムで熱く語り合ってくれている。(しかも、それを時系列に沿ってまとめてくれているサイトがある)

こういう「本気で楽しんで」くれている人たちの存在を知ると本当に胸が熱くなる。制作に関わった一人としてこんなに嬉しいことはない。心から感謝。

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