春の名残のタルカス
FM「ブラボー!オーケストラ」3月分の残り2本の収録にNHK503スタジオへ。今回は、2016年度に放送した演奏の中から選んだ〈吉松隆セレクション2016〉
第1回は3月26日(日)放送分で、10代20代の若い演奏家にスポットを当てた回。時間の都合で抜粋になるが、成田達輝(メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲)、小林愛美(モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番)、岡本侑也(ドヴォルザーク:チェロ協奏曲)、神尾真由子(チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲)、牛田智大(ラフマニノフ:パガニーニの主題による狂詩曲)、そして最後にバッティストーニ指揮で交響曲第5番〈運命〉を聴く。
第2回は4月2日(日)放送分で、コープランド:市民のためのファンファーレ(指揮:川瀬慶太楼)、ニーノ・ロータ:組曲「道」(同:バッティストーニ)、伊福部昭:SF交響ファンタジー第1番(岩村力)、キース・エマーソン「タルカス」(佐渡裕)、そしてアンダーソン:アイルランド組曲から「庭の千草」(尾高忠明)。いずれも演奏は東京フィル。
実は、今日3月10日は、キース・エマーソンの命日(ちょうど1年前の3.11に訃報を聞いた)。そこで、因縁の「タルカス」をメインに、冒頭にELPの演奏でヒットしたコープランドのファンファーレ、締めにイギリス民謡の「庭の千草(夏の名残のバラ)」を配し、密かに追悼と敬愛の意味を込めることに。
・・・ちなみに原曲の民謡は、夏の名残に一輪だけ残ったバラを自身に見立て、愛する人を失い老境を迎える寂しさをこう歌う。「すぐに私も後を追うだろう。心が枯れ、愛するものが消え去り、この荒れ果てた世で一人生きることなど私にはとても出来ないから…」。勇壮なタルカスに心躍らされつつも、寂しさに胸塞がれる思いがする。合掌。
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