ベルベットワルツ@Orchestra版
先月から少しずつ書き進めていた〈ベルベットワルツ〉オーケストラ編曲版ようやく仕上がる。
この曲、もともとは40年近く前(まだデビュー前の売れない作曲家だった頃)NHKのラジオドラマのために書いた劇中音楽。原作はヨーロッパ(確かハンガリー)の作家のもので、アパートを探して色々な部屋を訪ねる男女の話。メインのワルツは、老夫婦が遊園地の回転木馬の前で(昔ここで愛を告白したっけね…というような)遠い昔の回想に浸るシーンで聞こえてくる音楽。(ちなみに「ベルベット」は、女性がワルツを踊る時に着ていたというビロード(Veludo/Velvet)のドレスのイメージから)
その後、1984年にギターDUO(あるいは独奏楽器とギター)曲として「現代ギター」誌に掲載。当時ドラマの音楽でよくご一緒したハーモニカの崎元譲さんによるハーモニカとギター版で初演され、翌年ギター曲集「優しき玩具」(全18曲@現代ギター社)の一曲として出版。
ピアノ版は2001年に〈プレイアデス舞曲集〉に続くピアノ曲集としてCDと出版が企画されたとき、昔の曲を集めて「3つのワルツ」(緑のワルツ/虹色の薔薇のワルツ/ベルベットワルツ)として再編したもの。こちらは「レグルス回路/ピアノ小品集」(音楽之友社)に収められている。
個人的にもお気に入りの旋律で、ピアノやギターあるいは弦楽四重奏など色々な編成で色々な演奏家によって愛奏されているほか、〈交響曲第4番〉(2000)第2楽章のワルツ万華鏡の中にもしっかり紛れ込んでいる。