ショパンの歌・大地の心
FM「ブラボー!オーケストラ」12月分1本の収録にNHK405スタジオへ。
今回は12月10日(日)放送分で、ショパン:ピアノ協奏曲第1番(p:遠藤郁子)ほか。演奏は円光寺雅彦指揮札幌交響楽団。(2017年6月24日札幌交響楽団名曲コンサート「大地のショパン」@Kitaraより)
七十代を迎えられた大御所ピアニストのショパン。しかも通常40分ほどの曲を46分近く かけて演奏している…と聞いて失礼ながら(誠に失礼ながら)最初は微かに不安を感じたのだが、一音一音を慈しむような美しい演奏に感動。普通は「経過句」のような技巧的部分はアクセルをふかして弾き飛ばしてしまうのだが、「そんなに急いでどうするの」とばかりに丁寧に音を紡いでゆく。
演奏家は「楽譜を正確に音にする」のではなく、「楽譜の向こうにある音楽を音にする」のだと改めて感じさせてくれた演奏だった。
ちなみにコンサートのタイトル「大地のショパン」というのは、曲目がチェコ(ドヴォルザーク)に始まってポーランド(ショパン)〜ロシア(ムソルグスキー)〜中央アジア(ハチャトリアン〜ボロディン)というように西から東に大地を俯瞰する並びになっていることからの命名のようだ。演奏された「札幌」(ピアニストの出身地でもある)を起点に大地の記憶を遡ってゆくと、ショパンに達する…というなかなか素敵なヴィジョンである。
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