七回目の引越
ここ半世紀の間に6回ほど転居を繰り返したが、今回老齢の母のこともあって仕事場を引き払い実家に戻ることにした。双六で言うと「振り出しに戻る」。おそらくこれが人生最後の引越しだろう。
部屋は作曲家デビューする前に過ごしていた8畳の一部屋。2LDKの仕事場に詰まっていた膨大なモノ(本/CD/楽譜/テープ/機材/文書FAX書類原稿草稿資料/棚/机ほか生活雑貨の類)は収容できないので、終活も兼ねてほぼ95%廃棄。愛用のピアノ(メモフローラを書くときに買ったミニグランドサイズの電子ピアノ)も泣く泣く処分した。
さすがに作曲家人生半世紀分の堆積物ともなると分別は大変で、捨てるか捨てないか悩みつつ逡巡しつつ選別するのに丸3年近くかかった。ただ主だったものはデータとして保存したので、あまり喪失感はない。逆にずいぶん身軽になった気がするし、これでいつどうなっても大丈夫(?)という安堵感も少し。
R=シュトラウスが晩年「先生、今後のご予定は?」と聞かれ「あとは死ぬことくらいかな」と答えたという話が大好きなのだが、これからはわたしもそう答えよう(笑