国民楽派の過去と未来
FM「ブラボー!オーケストラ」5月分残り2本の収録にNHK401スタジオへ。
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FM「ブラボー!オーケストラ」5月分残り2本の収録にNHK401スタジオへ。
カワイの機関誌「あんさんぶる」(年6回発行)に《音楽についてのあれやこれや》という連載を始めることになった。
あんさんぶる誌は、かつて〈絶対安全音感日記〉(1999〜2001年)というイラスト付きの連載をしていたので、20年ぶりの里帰り。還暦過ぎて原稿の仕事はやめていたのだが、「ふた月に一回ですし、マンガ付きで好きなこと書いてください」と言われ、リハビリを兼ねて引き受けることにした。
題材は、ここ数年ぶつぶつと書き留めて来た「音楽とは何か?」についてのマジメな論考。あまりに大上段すぎて挫折し押し入れに投げ込んでいたものを、イラストを交えて軽口で再構成してみよう…と思い立ったはいいのだが、HPやブログに慣れてしまった身には、何字何行の縛りや〆切やレイアウトの制限がある紙の原稿の世界は「昔懐かしい」というより「手間が大変」。
当時はというと、…ワープロ専用機で打ってプリントした原稿をFAXで送っていた。(当然ながら、そのFAXを元に出版社でもう一度活字を組むので、二度三度の校正チェック&FAXでのやり取りが必要だった)。それでも、清書されて活字になり字数も確定した原稿を〆切当日直接出版社に送れるのは、原稿書きにとっては画期的で夢のような最新技術だった。(だから、1986年、最初にワープロを買った年が私の執筆活動元年である)
なにしろ、その前は……400字詰め原稿用紙にペンで書いた自筆の原稿を、〆切当日までに自分の足で出版社まで届けるか、担当が毎月玄関まで取りに来ていたのだから……。
FM「ブラボー!オーケストラ」4月分2本の収録にNHK605スタジオへ。
今回は2017年12月13日に行われた群馬交響楽団の東京オペラシティ公演から・・・
4月15日(日)放送分が、芥川也寸志:弦楽のための三楽章〈トリプティーク〉、ブラームス:ヴァイオリン協奏曲(vn:成田達輝)。
4月22日(日)放送分が、ブラームス:交響曲第1番。演奏:大友直人指揮群馬交響楽団。
…と、ほぼブラームス特集の2時間のあと、宿敵ワーグナー特集の別番組の打合せ。この二人、「犬猿の仲」だったとも「周りがけしかけていただけ」とも言われるが、自分専用の劇場まで建てて音楽界に君臨していた帝王ワグナーが、保守王道を唱える20歳も年下のブラームスを脅威に感じていたとはとても思えない。ただ共演NGだったことは確かなようで、ベートーヴェン生誕100年祭に二人を招待したら、ブラームスの名前があるのを見てワーグナーがドタキャンしたというから「会いたくない相手」ではあったのだろう。
ちなみに、ブラームスはブルックナーとも「犬猿の仲」で、彼の交響曲を「大蛇が地面をのたくってるような音楽」とくさしているが、人生を見ても恋愛事情を見ても、あちこち屈折していろいろ面倒くさい偏屈な人だったような気がする。こういう爺さんになりたいものだ。(…もうなってるか