故きを温ねて新しきは猛暑
FM「ブラボー!オーケストラ」9月分の収録にNHK401スタジオへ。
今回は9月2日(日)放送分の1本で、バーンスタイン「キャンディード」序曲、レスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲」「ローマの松」。渡邊一正指揮東京フィル(2018年6月24日第909回オーチャード定期より)
いずれも、過去の魂を現代に蘇らせた温故知新な作品で・・・
「キャンディード」は、18世紀の哲学者ヴォルテールが書いた壮大なピカレスク・ロマンを現代舞台に蘇らせたドタバタ喜劇的なミュージカルの序曲。
「古風な舞曲とアリア」は、図書室に眠っていた17世紀の作曲家の古いリュートの楽譜を現代風ストリングスの響きで蘇らせた清楚で美しい組曲。
そして「ローマの松」は、古代から現代までのローマという都市の記憶の底の心象風景をオーケストラによる超弩級のスペクタクル・サウンドで描いた交響詩。
収録を終えて街に出ると…都内でも40度を超えるという歴史的な猛暑。
悪魔がポンと現れて「音楽を取るか・エアコンを取るか?」と問われたら、即「エアコン!」と答えてしまいそうになる。
これはもう完全に、地球が人間を駆除しにかかっていると思うしかない。
そんな中で、音楽は無力だ。
でも、人間は…しぶとい。