耳の遺言
あんさんぶる誌の連載(音楽についてのあれやこれや)で「耳」について考える。
現在のように高性能かつ複雑になっている聴覚器官を電子顕微鏡的に分析しても「音楽とは何なのか?」は結局よくわからない。それはネコが最新のiPadをバラバラに分解しても「何がどうなっているのか」分からないのと同じで、その一台を存在させるに至ったプログラムやネットワークや現代社会のプロセスを理解できないからだ(それはカレーライスをいくら科学的に分析しても、最も重要なことである調理のプロセスや食材の性質そして食の伝統などは分からないのに似ている)。
そろそろ地球をAI(人工知能)に譲らなければならない雰囲気の今日この頃、死にかけた最後の人類の枕元でロボット氏に「結局、音楽ッテ何ダッタンデスか?」と問われたとき、それらしいアルゴリズムくらいは遺言で残したいような気がするのだが。そういう研究はどこかで誰かがしているのだろうか。
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