不歌之歌
最近、ほとんど音楽を聴かなくなった。
十代の頃から、レコードやテープ・コンサート・放送・CD(そして、もちろん作曲と演奏)などなど…起きている間はほぼすべて音楽漬けだったことを思うと不思議な感じだが、50年目に玉手箱を開けてようやく「夢から覚めた」…ということなのだろう。
中島敦の「名人伝」に出て来る弓の名人のように、年を経て弓を極めすぎたため弓の存在すら忘れる…という境地(?)なら面白いのだが、単に、老いて歌を忘れたカナリア…というだけで、あまり褒められた状態ではない。
ただ、「名人伝」の弓の達人の話も、本気で「不射之射」を信じているわけではなく、 ボケて弓のことすら忘れた老人を「名人」と称える「滑稽さ」を描いたわけで、「4分33秒」ともども真面目に捉えたら負けのような気がする(笑。
夢は見ている間は現実であり
醒めて初めて「夢」だと知る。
では、今見ているものは…?
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