スコット・ウォーカー
スコット・ウォーカー(本名:スコット・エンゲル)が亡くなった。
ウォーカーブラザースという、60年代の日本ではもしかしたらビートルズより人気があったかも知れない人気バンドのリード・ボーカル。楽器演奏のバンドではなくオーケストラ・サウンドをバックにした3人編成のボーカルグループだが、時代的にビートルズは少し年上のお兄さん世代、モンキーズは年下の妹世代で、彼らが「同時代」という感覚だった。「太陽はもう輝かない」(1966)という曲で、心を鷲掴みにされ、1968年1月の武道館公演にも出かけた(武道館公演は1966年のビートルズに次ぐ二番手だった)。当時まだ中学3年生だったのだが普通に「コンサートに行く」と行って一人で聞きに行った。
多重録音による分厚く独特なボーカルとオーケストラのサウンドには、結構影響を受けた(まだクラシック音楽を聴き始める前だったけれど)。3人での活動期は短かかったが、後年、ソロ活動をするようになってからも、ジャック・ブレルの「アムステルダム」や「マチルダ」などの見事な歌唱には魅了された。享年76。あれから半世紀が経つ…。時の流れが、切ない。