ワルツとボレロ
FM「ブラボー!オーケストラ」5月分2本の収録にNHK504スタジオへ。
5月12日(日)放送分は、シュトラウス2世「春の声」「ピチカートポルカ」「雷鳴と電光」「皇帝円舞曲」「美しき青きドナウ」、レハール「金と銀」ほか。小林研一郎指揮東京フィル(2019年1月8日第12回平日の午後のコンサートより)
5月19日(日)放送分は、メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲(vn:竹澤恭子)、ラヴェル「ボレロ」ほか。大友直人指揮オーケストラの日祝祭管弦楽団(2019年3月31日第13回オーケストラの日コンサートより)
日本に3拍子(ワルツ)が入ってきたのは、(おそらく)明治時代「鹿鳴館」の時代。ちょうどヨハン・シュトラウス2世がウィーンで大人気だった頃だ。それまでの日本には3拍子の音楽というのがほとんど存在していない。それを逆手にとって大河ドラマ「平清盛」では今様「遊びをせんとや」を3拍子で書いた。
旋法は雅楽の平調子なのに拍子は異端というのが清盛にふさわしいと思ったのと、イチニで前進する2拍子と違って、イチニサンの三拍子は回転するリズム。くるくる(あるいはゆらゆら)回っては戦争は出来ないので「平和」の拍子…という勝手な解釈で清盛の先駆性&平和主義を象徴した(つもり)。…だったのだが、そう言えば「ボレロ」も3拍子。平安時代の物語にボレロのリズムを合わせた黒澤明/早坂文雄「羅生門」の先駆性はそのあたりにもあったわけだ。
ちなみに、3拍子が「円」を描く拍子…というのは理系の人はすぐ「3だから」と納得するのだが、文系の人は「どうして?」と不満げになるのが面白い。ウィンナ・ワルツの2拍目が少し早めに演奏される字余り感も「円周率は3.14だから(ぴったり3では割り切れない)」と納得する人と、やっぱり「どうしてどうして?」という人が居て楽しい。
余談ながら、2拍子は2本足で前進し攻めて来る感じがするので好戦的、3拍子は回転するので平和的…という持論は、「3本足の生物ならワルツで攻めて来るんじゃない?」という思いもかけない指摘でもろくも論破されてしまった。なるほど。タコ型宇宙人なら8ビートで前進し攻めて来るわけか…。
« 取材@ジャパンアーツ | トップページ | 異界の神社 »
「仕事&音楽」カテゴリの記事
- お知らせ@市民講座(2024.10.12)
- 対談@都響WEB(2024.09.20)
- 草津の夜(2024.08.30)
- Finaleのフィナーレ(2024.08.27)
- 草津音楽祭オープニング(2024.08.17)