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2019年8月20日 (火)

生と性と音楽と

Darwin 最近、虫たちの「性」について書かれた「ダーウィンの覗き穴」(メノ・スヒルトハウゼン著)という書を読んで愕然としたのだが、動物たち…どころかイカタコから虫に至るまでオスメスのある自然界のあらゆる生物…の性器は、それぞれまちまちな形と大きさと構造と機能を持っているのだそうだ。そんな事はこの歳になるまで知らなかった、というより考えたこともなかった(笑)

そのため性器の形状で生物の分類が出来るほどなのだそうなのだが、モノがモノだけに研究が難しいうえ、生モノ状態での保存がほぼ不可能(確かに恐竜の性器の化石などが発掘できるとは思えない)。さらにあんまり表だって研究したり大声で研究成果を発表できない分野ということもあるらしい。(本のタイトルにもなっているダーウィンの時代は、カトリック的な倫理観や英国紳士たるモラルから性の研究など簡単にねじ曲げられて来たそうだし、現代でも男女間や人種間の「違い」の研究は「差別」と見なされて消し飛ばされてしまう。真実を真実として知るのは、いつの時代でもどの国でもそう簡単ではないようだ)

そんなこんなで何億年も前から付いている器官のくせに、その研究は初歩の初歩の域を出ず、そもそも何で「性」などというものがあるのか(もちろん遺伝上免疫上のメリットはあるのだが、デメリットもある)、なぜ地球上の生き物が「単身コピー」ではなく「雌雄による生殖」などという面倒くさいコトを延々繰り返しているのか…諸説あって結論が出ていないらしい。「マジで?」という言葉はこういう時に使うのだろう。

Aim それにしても、世代を受け継いでゆくタイプの生命体に「性」が必要不可欠だとすると、人工知能はどうなのだろう?アトムは「ロボットの自分には心(感情)がない」と悩んでいたが、アレがないことに悩む回はあったのだろうか?「ロボットにも性器を付けてみたら」などと主張したら完全に変態扱いになるだろうから、誰も言い出さないだけなのだろうか?(現状では、威圧的で強そうな警備ロボットなら「男」っぽく、従順で優しいメイドロボットなら「女」っぽく、という性差は付けるらしいが、それをすると今度は「性差別」あるいは「単なる性のステレオタイプ化」という声があがるそうだから難しい)

そもそも音楽にも「性」に関わる巨大な暗部がある。時間・音・快感…というパラメータで出来ている以上、人間の「生」の根源に関わる生理(つまり「性」)とリンクしていて当然だからだ。ところが、西洋音楽はもともとがキリスト教的世界観から発生したものなので、モラルが邪魔をしてなかなかそこをツッ込めない。「ソナタ形式というのは性衝動を描いたグラフである」とか「楽曲の形式はオルガスムスのフォームから生まれている」などと主張すれば即ヘンタイの烙印を押されそうだし、男の音楽・女の音楽…を敢えて研究しようとすればセクハラ案件になる可能性の方が大きい。その点ではダーウィンの時代とは逆の意味での研究者受難の時代なのかも知れない。

それでも、ヰタ・セクスアリスや「性への目覚め」は人間が人間であることの根幹。人間が人間であることを知るのに無視できない最重要部分であることは間違いないのだから、音楽の謎を探る試みや人間の後を継ぐAIの制作がこの根幹をスルーできるわけもない。…などと、すっかり枯れてしまってからそんなことを憂いてももうどうしようもないのだが(笑

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