追悼 吾妻ひでお氏
70年代に「不条理日記」(1978)で始まったSF+不条理ナンセンスの一連の作品(やけくそ天使/トラウマが行く/スクラップ学園/海から来た機械/ときめきアリスなどなど)には随分衝撃と影響を受けた。衒学的なまでのSF作品の引用パロディや想像を絶する天才的かつ奇妙なネタが、三頭身の可愛らしい人物や美少女やクリーチャーたちによって描かれる魔法のような異世界。ある種モーツァルトの世界に通じる天国的な透明感すら感じた。
おかげで、私がイラストで描く人物は、クレー+ミロ+吾妻ひでお。モノドラマ「トラウマ氏の一日」やテープ音楽作品「マーマレード回路」など氏からの影響を密かに受けた作品は数知れない(笑。
80/90年代はすっかり一線から離脱していたが、通信販売での「産直あづまマガジン」や「うつうつひでお日記」など(ファンとして買わせて頂いていました)のあと、不遇の時期を赤裸々かつ天国的に描いた「失踪日記」(2005)で復活。最近作の「カオスノート」(2014)では往年の「不条理日記」のテイストを取り戻され、これからさらに…と思っていたのだが。
合掌。
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