ボヘミアンの光と影
FM「ブラボー!オーケストラ」10月分の残り1本の収録にNHK405スタジオへ。
今回は10月20日(日)放送予定分で、ウェーバー歌劇「魔弾の射手」序曲とドヴォルザークの交響曲第8番。小林研一郎指揮東京フィル(2019年10月8日第15回平日の午後のコンサートから)・・・の筈だったのだが、収録後、ラグビーのW杯放送の関係で11/10(日)に飛ばされることが決定。
ボヘミアの暗い森が舞台の「魔弾の射手」とボヘミアの明るい自然と肯定的人生を描く「ドボ8」という組み合わせ。ちなみに、ボヘミア(Bohemia)というのはチェコ中西部あたりを指す地名だが、古くはヨーロッパ東部(ドイツ〜ポーランド〜オーストリアの一部を含む)一帯の呼称だったようで、日本で言うと「東国/あづま」とか「坂東」「武蔵の国」といった感じだろうか。
都(みやこ)から見た東国と同じく、ボヘミアは良く言えば自然に溢れた素朴な・悪く言えば未開な田舎のイメージのある森と草原の広がる地域。人々は革の帽子に革のズボンで馬を乗りこなしていて(このあたりは坂東武者のイメージと重なって興味深い)、このスタイルがアメリカのカウボーイの起源になったと言うから面白い。
この「東(遠く)から来た異邦人」…というイメージが、ジプシー/ロマのような移動生活者/放浪者の呼称となり、さらに…さすらう旅人=芸術家肌で世間や因習に囚われない自由な人間(悪く言えば、定職のない住所不定の芸術家くずれ)…をボヘミアンと呼ぶようになる。ちなみに、マーラーはボヘミア地方(チェコ)生まれなので生粋のボヘミアン。クイーンのフレディ・マーキュリーはザンジバル生まれだがボヘミアン。人はボヘミアンとして生まれるのではなく、ボヘミアンになるのである。たぶん。
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