深川の忠臣蔵
復元された町並みをぶらぶら歩くうち、「米屋」の奥の神棚?のような位置になぜかニワトリが二羽、貴重品のように並んで居るのを見つける。不思議に思って見上げていると、解説員の男性が「これは米に付いた虫を食べさせるために飼っていたんですよ」と説明してくれた。
米屋だとむしろネズミよけに猫を飼っていそうな気もするが、江戸時代では猫は高級愛玩動物で金持ちのもの。庶民がネズミ除けに飼えるようなものではなく、代わりに「猫の絵」を買ったほどなのだそうだ。(実際、専門に「猫絵」を描き、売り歩く業者も居たのだとか)
そのあと午後から小劇場で「善の快」の公演を見る。知り合いが女優さんをやっている劇団で、今回の出し物は忠臣蔵の裏話をネタにした「ツッコミ忠臣蔵〜堀部安兵衛の妻」。
日本人の知る忠臣蔵は劇として感動的に装飾されすぎているが(確か故杉浦日向子さんも言っていたように)見方を変えれば「47人の大の男が完全武装して、寝ているじいさま一人を惨殺したテロ事件」(実際、討ち入った赤穂方は47名全員ほぼ無傷、吉良方は死者17名負傷28名)。当然ながら「なぜ?」という突っ込みどころが満載の物語で、今回の劇でもそのあたりの「ツッコミ」に新説を交えて面白おかしくかき混ぜてくれていて楽しめた。
おかげで杉浦日向子さんを思い出して著書(「百物語」「ゑひもせす」「百日紅」…)を再読するも、彼女の著作は一部のエッセイ本以外まだまったく電子書籍になっていないことに気付く。電子化されたら全著作買い直すのに…。
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