昨年末(12/29)にテレビ大阪で放送された「ちょこっと京都に住んでみた」が面白くて、TVerで配信されていたのを年末年始に7~8回ほど繰り返し見てしまう。
NHKの「京都人の密かな愉しみ」シリーズに似た京都紹介番組だが、こちらは庶民視点で下町風情の京都の暮らしを疑似体験するお話。京都の町屋に住む老叔父(近藤正臣)の処へ東京の姪(木村文乃)が転がり込んできて、ほんの数日の間、買い物やお使いに京都の町を自転車で回り、また再び帰って行くだけの物語である。
北野商店街(北野天満宮の南)近くの町屋に住んでいるという設定で、買い物に行くのも近所のごく普通の魚屋・豆腐屋・七味唐辛子屋・和菓子屋・天ぷら屋・喫茶店・古本屋・立ち飲み屋など。大昔の平安京時代の京都の中心…千本通りの近くでいい雰囲気の地域ながら、観光ガイドに登場するような有名どころや高級店&オシャレなお店はまったく出て来ず、登場するのは二人の役者以外(おそらく)すべて現地の人たち…という徹底した庶民指向が潔い。
昔から、京都の普通の家に住んで・近くの店で豆腐とか油揚とか総菜を買って食べ・神社で汲んだ水で珈琲入れて・夜は木屋町で一杯…というような隠居生活をしてみたいと夢見ていた(ご先祖様は江戸後期170年ほど前の京都で数年間やったことがあるらしい)のだが、この話の大叔父(70歳くらいの設定か)はまさにドンピシャ。
根っからの自由人らしく「(美味しいとか寒いとか)当たり前のことをいちいち言わんでよろし」と「(色々持論は言うが、最後は…)知らんけど」が口癖で、独身・無職ながら、古い町屋に一人で住み、鯖寿司や鰻などちょっと値の張る物も時々食べ、欠けた杯に金継ぎをして愛用するくらいなので、お金に困っている風は全くない。実は作家か何かで印税生活なのかも知れない。
嗚呼、こういう爺になりたかった(笑。今度生まれ変わるときはそうしよう。