確定申告と死亡届(仮)
数年前から介護離職中ではあるのだが、作曲家というのは(演奏家と違って)仕事をしないと即収入ゼロになるわけではなく、印税とか雑収入が相変わらずあるので、一応、還付申告が欠かせない。
なるべく空いている時間帯に…と平日の昼間に行くと、時間のせいなのか新型風邪のせいなのか申告窓口には誰も並んで居らず、担当氏が数字を確認し受け取りのハンコをぽんぽんと押し、1分も経たずに申告終了する。
余談ながら、お役所に行くたび思い出すのが、むかし悪友の一人が言っていた「死亡届(仮)」というネタ。普通、死亡届は「死にました」という過去形の届け出だが、「死にます」という進行/未来形の届け出があってもいいんじゃないか、と言うのである。提出出来るのは50歳以上に限定されるが、この届けを出すと、死んだ後の諸々の手続きを生前に済ませることが出来るうえ、オプションで確実安楽即効自死セット(薬か拳銃か縄を選べる)が貰える…という超ブラックな代物。
「いやいや、いくらなんでも窓口の人が〈やめなさい〉と止めるんじゃない?」と言うと「結婚届を出しても、窓口で〈悪いこと言わないからやめなさい〉と止めたりしないだろ?」と減らず口を言う。生まれる権利・生きる権利・結婚して子孫を残す権利・があるなら死ぬ権利だってあるはず…と力説されると「そんなもんかな」という気になるが、確かに国公認の確実安楽即効自死セット(悪魔的なんだか天使的なんだか分からないが、そういう研究は進んでいるのだろうか?)というのがあったら手元に一つ置いておきたい気がしないでもない。