20世紀の記憶/南欧の香り
FM「ブラボー!オーケストラ」3月分2本の収録にNHK403スタジオへ。
3月1日(日)放送分はレスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア:第3組曲」とロドリーゴ「アランフェス協奏曲」(g:大萩康司)。
3月8日(日)放送分は、ニーノ・ロータ「弦楽オーケストラのための協奏曲」とメンデルスゾーン「交響曲第4番〈イタリア〉」。演奏は、いずれも三ツ橋敬子指揮東京フィル(2020年2月1日@千葉県東金市の東金文化会館での番組公開収録より)
と、イタリアおよび南欧にちなんだ名品4つ。メンデルスゾーン以外は全て20世紀(レスピーギとロドリーゴは1930年代、ロータは1960年代)の作品だが、どの曲も無調のムの字もない(?)潔いまでの非現代音楽。
思えば、あの時代、無調音楽に汚染されなかった治外法権的な聖域?が社会主義国家ソヴィエト連邦以外にもあった。それが映画音楽界だ。無調がイヤな作曲家は(裏切り者/堕落/退嬰的/大衆迎合/金目当て…と罵声を浴びせられながらも)こぞって亡命?を果たし、メロディやハーモニーを思う存分鳴らし、生き残った?……という視点が正しいのかどうか良く分からないが…。
むかしNHKの番組のため来日したシュニトケと話す機会があり「ソヴィエト連邦と現代音楽の時代の狭間でどうやって生き延びたのですか?」と聞いたところ「映画音楽です。おかげで経済的に生き延びました」という切実かつ現実的な答えにちょっと驚いたことがある。確かに「人は音楽のみにて生くるものにあらず」。口に入るパンなくして何が芸術か…と言われればその通りなのだ。生きるというのはつくづく怖い営みである。むかしも、今も。いや、どんな時代でも。
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