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2020年3月17日 (火)

愛の挨拶と女人禁制クラブ

ElgerssFM「ブラボーオーケストラ」4月分の残り1本の収録にNHK403スタジオへ。

今回は4月19日(日)放送分で、東京フィル第3回渋谷の午後のコンサート(2019年12月2日@オーチャードホール)から、エルガー「愛の挨拶」、チャイコフスキー「ロココの主題による変奏曲」(vc:山崎伸子)ほか/指揮:円光寺雅彦。+東京フィル第79回休日の午後のコンサート(2019年2月3日)からチャイコフスキー「スラヴ行進曲」指揮:広上淳一。

「愛の挨拶」はエルガーが婚約者に贈ったというエピソードで知られる愛らしい小品。彼の愛妻家ぶりは…大英帝国の紳士たるものこうでなくては…の代表格だが、同世代のコナン・ドイル(シャーロック・ホームズの作者)と同様、この時代の英国紳士の女性観というのはちょっと独特だ。基本は騎士道精神なのでレディーを立てるのがジェントルマンであり、女性を悪く言ったり差別するのは紳士に悖る行為。お姫さま(女性)を救うために危険を厭わないのが騎士(紳士)という美学なのだが…ではフェミニストなのか?というとちょっと違う。

昔ロンドンに行ったとき、男性だけの会員制クラブというのに誘われたことがある。会則はシンプルで「女性は入会禁止&立入禁止(いわゆる女人禁制)」。奥さんだろうが母親や娘だろうが秘書やメイドだろうが(イヌだろうが)女性は中に入れない。今なら「女性差別だ」と騒がれそうだが、そこで男性たちが何をしているかというと、ただ黙って新聞を読んだりお茶を飲んだりしているだけ。要するに、奥さんのお喋りから離れて「一人静かに」お茶を飲みたいだけの場所なのだそうで、それを髭の紳士たちが真面目な顔をしてやっているのが果てしなく微笑ましい。そう言えば、ホームズ譚にも「ディオゲネス・クラブ」という似たようなクラブの話が出て来るが、何となく京都の「ぶぶ漬け」のように「英国紳士ならやりそうな」というだけのジョーク(ユーモア)のような気もしないでもない。ちなみに現代ではホテルや空港/駅などにも普通に会員専用のクラブラウンジがあるし、「男人禁制」の女性だけの会員制クラブというのもあるそうなので、さほど特別な場所という感じはしなくなってしまったが。

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