東京 DARK
約束の「5月末」を超えてようやく馴染みの店が営業を再開し、東京が(暗いながらも)元の状態を取り戻す。
ただし、ここ数ヶ月にわたって「人に近づくな(人を見たら感染者と思え)」という疑心暗鬼?を刷り込まれた身は、そう簡単に元には戻らない。(いや、下手するともう死ぬまで元に戻らないかも知れない)
音楽界も致命的なダメージを被った。音楽は元々「人から人へ」「空気感染」させる?メディアなので、それを否定されたら存在自体がアウトである。それを克服して「ネット経由で聴いてもらう…」という生き残り戦術も、ある意味、両刃の剣だ。なにしろ人と空気を遮断しているのだから、その先にあるのはAI(人工知能)が音響合成とCG(コンピュータグラフィックス)で造り無料配信する…「人間の要らない」音楽世界だろう。ネットの普及でCDが壊滅状態になり、ようやく「やっぱり生の音楽がいい」という流れになった処に今回の一撃。これでは、音楽は生き残っても、音楽家は生き残れないかも知れない(という悲観的なヴィジョンも脳裏をかすめる)。
ちなみに、居酒屋のカウンターで一人ちびちび酒が飲めるようになったのは嬉しいが、料理人がマスクしていて味や匂いが分かるんだろうか?と酷く気になる。これでは、コンサートが解禁になっても、オーケストラ全員(指揮者も?)がマスク着用という悪夢もあり得なくないわけだ。…まさか合唱団が全員マスクして第九を歌う年末が来たり・・・するのだろうか?