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2020年6月27日 (土)

ロンドン録音の思い出

Abbeyroadgレコード芸術7月号の「レコード誕生物語」で須川展也氏と拙作「サイバーバード協奏曲」の最初の録音セッションの話が取り上げられていて、遙か昔の記憶が蘇ることになった。

録音は1996年の4月。もう24年も前になる。91年に須川展也氏の最初の委嘱作品として書いた「ファジーバードソナタ」がコンサート&CD共々好評で、続いて94年に書いた「サイバーバード協奏曲」もCD録音しましょう!ということになり、なんとあの(ビートルズを始め数々の名盤を生み落とした)アビーロードスタジオでフィルハーモニア管弦楽団の演奏により録音する…という夢のような話がぱたぱたと進んでいった。

ロンドン行きの一行は、須川展也氏(サックス)、小柳美奈子さん(ピアノ)、ディレクターの磯田健一郎氏、山口多嘉子さん(パーカッション)、私(作曲者)、 そして東芝EMIのプロデューサー佐藤浩士氏、録音エンジニアの小貝俊一氏。指揮はロンドン在住で現代オペラなども得意とするデイヴィッド・パリー氏。

4月3日に成田を発ってブリュッセル経由でロンドンへ(私自身は、前年95年にCHANDOSの最初の録音セッションでマンチェスターに行っているので、訪英は2度目)。ホテルはリージェンツパークのすぐ横で、近くにはシャーロックホームズでお馴染みのベイカー街があり、夜は「ニンジン」という怪しげな和食屋に通ったり、昼は公園を散歩したりベイカー街221Bに入り浸ったり、もちろんアビーロードスタジオ前の横断歩道を4人で並んで歩いたり。

録音は4月6日/7日の2日間。前日にスタジオの下見のあと指揮者宅でリハーサル。当日は最初にマイクテストを兼ねてサイバーバードのリハーサルを行い、そのあと1日目にドビュッシーとイベール、2日目にサイバーバードとグラズノフ作品を次々にリハーサル&本番録音して全4曲の録音終了。指揮の広上淳一さんが覗きに来て中華街での打ち上げに合流し、ディレクターの磯田氏と酔っ払ってゴジラはじめ怪獣映画のテーマを大声で合唱し始めた記憶が…

飛行機が苦手で長らく海外には行っていなかったのだが、帰国した翌5月には、拙作「鳥たちの時代」の日本フィル/ヨーロッパ公演(指揮:広上淳一氏)に立ち会いにウィーンへ行くことになり、さらに98年からはBBCフィルとの本格的なCD録音セッションが始まり毎年渡英する契約に。もはや「飛行機嫌い」と言っておられなくなり宗旨替えを余儀なくされたきっかけともなった貴重な旅だった。(イラストは帰国後描いたスタッフ一同の似顔絵。右下端は熱演のあまり壊れてしまった須川氏のベルト)

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