映画の中の生と死と
NHK-FM「ブラボーオーケストラ」8月9月放送分2本の収録にNHKへ。
8月23日(日)放送分は、「魅惑の映画音楽」というテーマで、伊福部昭「SF交響ファンタジー第1番」(岩村力指揮)、ニーノ・ロータ「道」(バッティストーニ指揮)、モリコーネ「ニューシネマパラダイス」から愛のテーマ(三ツ橋敬子指揮)。+映画に因んだ名曲選。シュトラウス「美しき青きドナウ」(2001年宇宙の旅/小林研一郎指揮)、マーラー「アダージェット」(ベニスに死す/ミョンフン指揮)。
9月6日(日)放送分は、「生誕250年/ベートーヴェンの交響曲」というテーマで、エグモント序曲(小林研一郎指揮)、交響曲第7番イ長調(チョン・ミョンフン指揮)いずれも演奏は東京フィル。
解説で登場する映画5編を改めて見直してみる。「ゴジラ」は大戸島の尾根からにゅっと顔を出す最初の登場シーンが昔は凄く怖かったが、改めて見ても良く出来ている名品。「道」はサーカス風の音楽と哀愁漂うテーマのコントラストが秀逸。綱渡り芸人はリチャート・ベースハート(シービュー号のネルソン提督!)。「ニューシネマパラダイス」は…何と言ってもトト役の子役(サルヴァトーレ・カシオ)の可愛さが成功の要因。トトとアルフレッドのテーマが耳に残る。
「2001年宇宙の旅」で使われた「青きドナウ」は…宇宙船がくるくる回りながら無重力の宇宙空間を飛翔する様を「ワルツ」に見立てたのだろうが、エンドロールでも延々と流れメインテーマ扱いになってることに改めて気付く。ドナウの流れは「悠久の時の流れ」に通ずる…ということか。
アダージェットが全編を覆う「ベニスに死す」は、今見ると、少年愛や耽美的頽廃さ云々より、コレラの流行を観光客に隠して徐々に感染が広がってゆくベニスが現在の新型コロナに重なってリアルに怖い。
どの作品にも「生」より「死」の香りを強く感じるのは、歳を取ったせいだろうか。〆の「ベト7」だけが生命の火花のほとばしりを感じさせ…思わず我に返る。
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