フォト

Home page

お知らせ

  • 音楽館
    作品視聴…映像付き
  • 楽譜出版《ASKS.orchestra》交響曲,協奏曲,室内楽などのスコアを電子版(PDF)で販売中。海外向け→**
    出版作品一覧→***NEW
  • 《図解クラシック音楽大事典》(学研)イラストとまんがでオーケストラや楽典から音楽史までを紹介する掟破りの入門書。旧〈音楽大事典〉の超大幅改訂復刻版。
    作曲は鳥のごとく》(春秋社)自らの作曲家生活を綴った独学の音楽史@2013年3月刊
    《調性で読み解くクラシック》(ヤマハ)調性および音楽の謎を楽理・楽器・科学・歴史から読み解く文庫版入門書。

リンク

« 2020年7月 | トップページ | 2020年9月 »

2020年8月

2020年8月28日 (金)

20世紀の邂逅

Scrg FM「ブラボーオーケストラ」9月放送分残り一本の収録にNHKへ

9月27日(日)放送分の特別企画第7回は「20世紀の新たな響き」というテーマで、コープランド「市民のためのファンファーレ」(指揮:原田慶太楼)、ショスタコーヴィチ「祝典序曲」(指揮:外山雄三)、ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」(ピアノ三舩優子、指揮:D.エッティンガー)、ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」(ピアノと指揮:渡邊一正)+東京フィル。

今回は20世紀西欧の「(いわゆる)現代音楽」の潮流とは違ったところでクラシック音楽の裾野を広げた4曲。この時代、モダンで無調なのが音楽史的に正しく、ソヴィエトの「社会主義リアリズム」は「体制迎合」、アメリカの「自由主義リベラリズム(これは造語)」は「大衆迎合」、調性やメロディを書こうものなら「時代錯誤」と嘲笑されたものだったが、そんな記憶も今は昔。そんな時代もあったねと今は話せるようになった。

ただ…、ショスタコーヴィチとガーシュウィンが居なかったら、あるいは逆に無調現代音楽系に「春の祭典」級のヒット曲があったら、状況は全く変わって居たかも知れないとも思う。シェーンベルクなどは亡命先のアメリカでガーシュウィンとテニス仲間だったそうだから、12音でシンフォニックジャズを書いてヒットさせたりしていたら音楽の潮流も随分変わったことだろう…イヤ、それはないか

写真上は、訪米したショスタコーヴィチ(54)と握手するコープランド(60)。下は訪米したラヴェル(53)の元を訪れたガーシュウィン(30)。

2020年8月24日 (月)

時代と異国と音楽と

Panharmonicon FM「ブラボーオーケストラ」9月放送分2本の収録にNHKへ。

9月13日(日)放送分は、夏の特別企画第5回「生誕250年/ベートーヴェンの協奏曲」というテーマで、ベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番(p:中村紘子/指揮:広上淳一@2013年4月収録)と「ウェリントンの勝利」(指揮:飯森泰次郎@2015年2月収録)東京フィル。

9月20日(日)放送分は、同第6回「エキゾチックな音楽の旅」というテーマで、ロドリーゴ「アランフェス協奏曲より(g:荘村清志、指揮:三ツ橋敬子)、ボロディン「ダッタン人の踊り」(指揮:バッティストーニ)、小山清茂「管弦楽のための木挽き歌」(指揮:渡邊一正)、マルケス「ダンソン第2番」(指揮:原田慶太楼)東京フィル。

 ベートーヴェンの回は、20代の若きベートーヴェンが書いた事実上最初のピアノ協奏曲(第2番)と、40代で書いた珍品とも言える「戦争交響曲」。交響曲もピアノ協奏曲も第1番2番はほとんど聴くことがないのだが、改めて聴くとやはり才能あるなぁと感じる(当たり前だが)。
 後者の「戦争交響曲」は、友人メルツェル(メトロノームの発明者)が新しく発明した自動演奏機械パンハルモニコン↑をアピールするためにベートーヴェンに委嘱したもの。戦争をネタにして英仏軍のバトルを銃声や大砲の音込みで描き、最後は勝利のフィナーレ…というのは(おそらく)メルツェルのアイデア。(漫画で言うなら)原案メルツェル・作画ベートーヴェンみたいなものか。初演で大受けに受けた後、作品の権利を巡って揉めて裁判沙汰になり、友情にヒビが入ったらしい(…という話を聞くとN氏に交響曲を書かせたS氏の話を思い出す)。ベートーヴェンの書いた最大規模の交響作品なのに「キワモノ」扱いで殆ど正当に評価されていないのもそんな出自の怪しさもあるのかも知れない。

 続くエキゾチックの回は、スペイン(アランフェス協奏曲)から始まって、中央アジア(ダッタン人の踊り)、日本(木挽き歌)、南米(ダンソン)と地球を一周する音楽の旅。人類がアフリカから世界に旅したグレート・ジャーニーの道筋でもあり、西洋と東洋を繋いだシルクロードに思いを馳せれば郷愁誘う旅だが、大航海時代にスペインやポルトガルを始めとする欧米列強諸国がこの道筋でアジア・アフリカから南北アメリカまでを征服・植民地化・キリスト教化した歴史を思うと…当時の日本はよく無事だったものだとしみじみ感心する。信長・秀吉・家康は偉かった(笑
 クラシック音楽が世界中に伝播して「人類の音楽」の代表のような顔をして居るのもそんな植民地時代の悪しき残滓…と言えなくもないわけで、そう考えると現代のグローバル化ともども「(西欧の言うことに)騙されてはいけない」という声がどこかから聞こえてくる気がする。

2020年8月20日 (木)

プール・オン・ザ・昼

Poolかんかん照りの猛暑の昼。ひさしぶりの外界で宝石のような青い水を湛えるプールが眼に入り、そのあまりの美しさにしばし呆然と見入ってしまった。

世界が煉獄のごとく過酷な状況の中、それでもあんな青い天国のような水の中で涼やかに微笑むことができる幸福な人たちも居るのだなあ、と羨ましさで気が遠くなる(笑

最後にプールで泳いだのは…かれこれ半世紀ほど昔だろうか。以来さっぱり水に入った記憶はない。丘の上から揺らめく水面を見下ろしながら、世界がぐるぐる回っているのをただ見続けている。

2020年8月15日 (土)

夏草や

Bashoそう言えば、コロナもクラスターもディスタンスもマスクも…現代音楽では耳慣れた響きだった(特に武満徹さんがよく使っていた)。

音を密集させ(クラスター)・楽器は離して配置する(ディスタンス)という仕様が流行ったあの頃の現代音楽は、どこか今の世界の摩訶不思議な状態を予見しているような気がして、怖ろしくも懐かしい。

そもそも、この異様な猛暑にしろ感染症にしろ、自然(地球)が滅菌・煮沸消毒…を試みていることは明らかだが、80億近くいる相手を千や万の単位で駆除しても焼け石に水。…この絶望的なしぶとさに比べればウィルスの蔓延など可愛いものなのかも知れない。

夏草や 猛暑にコロナ ディスタンス

2020年8月 6日 (木)

海を見に行く

Takeshiba_20200806200101

あんまり暑いので海を見に行く。

とは言っても都内から出られないので、一番近い(直線距離で最短8kmほどの)竹芝桟橋からの海(東京湾)。厳密に言うと隅田川の河口なので、海と言えるのかどうか分からないが、昔ここから伊豆大島行きの船に乗った記憶があるので、海に繋がっていることだけは確か。

« 2020年7月 | トップページ | 2020年9月 »