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2021年2月

2021年2月25日 (木)

確定申告@e-Tax

Etax最近ようやくマイナンバーカードを作ったので、遅まきながらe-Taxでの確定申告にトライしてみた。

作曲家になって以来、確定申告だけは意固地にアナログにこだわり続け(ただし帳簿自体は1987年以来Excel)、毎年必ず歩いて税務署に行って手書きの書類を窓口で手渡ししてきたのだが、こんな状況なので遂に宗旨替え。

簡単です・分かりやすいです・スマホからでも出来ます・と色々なキャラクターがふわふわしながら勧誘するが・・・ICカードリーダーを繋ぎ、マイナポータル(右のウサギ)に登録し、それから国税庁のe-Tax(左の緑小僧)にログインして、暗号のようなお役所言葉の海を泳ぎ抜け、呪文のような数字をひたすら入力し…とアドヴェンチャーゲームみたいな世界をクリアして2日ほどかかってようやく電子申告書を送付することに成功。

67歳の頭ではぎりぎりの世界だが・・・この歳で申告に四苦八苦しなければならないような収入があることに感謝(笑

2021年2月22日 (月)

アリヴェデルチ・オーケストラ

Bravoo FM「ブラボーオーケストラ」3月分2本の収録にNHKへ。

3月7日(日)放送分は、ドヴォルザーク「謝肉祭」と「チェロ協奏曲ロ短調」(vc:佐藤晴真)。
3月21日(日)放送分は「交響曲第9番〈新世界から〉」。
いずれも演奏は渡邊一正指揮東京フィル(2021年2月14日@和光市民文化センター/サンアゼリア大ホールにて行われた番組の公開録音コンサートより)。

・・・と、これにて私の解説担当分は終了。2012年に始まった「ブラボーオーケストラ」の枠で9年、その前の「オーケストラの夕べ」(2008)「FMシンフォニーコンサート」(2003)から数えると18年、初仕事の「新譜情報」(1996)からは25年…という長きにわたりFMで(ほぼ毎週)ボソボソと解説してきたわけだが、晴れて卒業ということに。(ちなみに、番組自体は新年度から柴辻純子さんに引き継がれて続きます)

思えば、大河ドラマを担当したあと60歳で還暦コンサートをやってもらって「定年退職」し、そのあと唯一続けてきたのがこのFM解説の仕事だったのだが…(以前は2時間枠でも3時間枠でも平気で喋っていたが、最近はさすがに1時間でもくたびれるようになってきて、処理スピードと記憶容量の低下は如何ともしがたい)。というわけで、これからは年金と印税で細々と食いつなぎながら、猫を膝にひきこもり隠居暮らしを楽しもうかと…(笑)。そう言えば今日は猫の日(2/22)

Studioa

2021年2月18日 (木)

Rocky Raccoon

Raccoona 夜中に二階の監視カメラにアライグマ。猫のカリカリ餌を目当てに来るらしいが、ほとんどホラー映画(笑)

そう言えば、Beatlesの「Rocky Raccoon」(White Album収録)という曲、アライグマ(Raccoon)のことを歌っているのかと長らく漠然と思い込んでいたが、アライグマの尻尾を付けた帽子をかぶったカウボーイ"ロッキー"のことらしい。まあ、そうだろう。

2021年2月14日 (日)

早咲き桜

Sakura21214 いつも行くいつもの公園のいつもの場所にいつもの早咲き桜がいつものようにほころび始める。

人が誰もいなくても誰ひとり見る者がいなくても(人がすべて滅びていなくなっても)…桜はこうして毎年けなげに咲き続けるのだろう。

…ところで、新宿御苑(昨年暮れより臨時閉園中)はいつ開くのかしらん。

2021年2月12日 (金)

N響演奏会ゲスト

210212NHK-FM「N響演奏会」ゲスト出演で東京芸術劇場へ。

NHK交響楽団2月公演。曲目は・スメタナ「売られた花嫁」から3つの舞曲/シマノフスキ「ヴァイオリン協奏曲第1番」(vn:イザベル・ファウスト)/ドヴォルザーク「交響曲第6番ニ長調」。指揮:熊倉優。ゲスト:吉松隆、司会:金子奈緒。

・冒頭スメタナの「売られた花嫁」は、有名な〈序曲〉ではなく、舞曲3つ(ポルカ・フリアント・道化師の踊り)。フリアントが後半ドヴォルザーク第6番の3楽章フリアントと呼応する仕掛け。
・続くシマノフスキの作は、R=シュトラウス(サロメ)やストラヴィンスキー(火の鳥)を思わせる幻想的なサウンドで書かれたヴァイオリン協奏曲。高音でキリキリ歌うヴァイオリンが美しくも官能的。イザベル・ファウストの鉱石のような弦の響きに酔いしれる。
・最後の交響曲第6番ニ長調はドヴォルザークが40歳直前で書いた国際舞台デビュー作。初出版の交響曲と言うことで当時は〈第1番〉と呼ばれていた(かつては新世界が第5番だった)が、本人は第5番という認識だったのだとか。後に習作の第1番の楽譜が見つかって通し番号を付け直したため現在の番号になっている。ウィーンでの初演を目指してかなりブラームスを意識した力作で(ただし最終的にはそれはかなわずプラハ初演となる)ボヘミアの香りは控えめだが、このあと第7番ニ短調・第8番ト長調・第9番ホ短調とぐいぐいクォリティを上げてゆく奇蹟の起点となった曲。若いマエストロの精気漲る演奏でずいぶんこの曲の印象が変わった気がする。(それにしても…解説ゲスト出演の依頼が来たときは曲目を聞いて「何を話そうか?」と戸惑ったほどの渋いプログラムだったが、案ずるより産むが易し(笑)。

放送は2月17日(水)19時〜「ベストオブクラシック:N響演奏会」@NHK-FM。

2021年2月 8日 (月)

S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら

Sn-by-aiaarg 書籍『S/N』−S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら
編・著・発行:人工知能美学芸術研究会人工知能美学芸術研究会 ・・・出版(3月中旬発売予定)のお知らせ

S(佐村河内守)氏のアノ事件からもう7年たつ。クラシック音楽界で起きた事件としては珍しくTVのワイドショーや雑誌の三面記事にまで取り上げられ世間の注目を浴びた面白くも奇妙な出来事だったが、耳が聞こえる聞こえないで詐称した部分・および代作に関する虚偽など「詐欺師」の側面が大々的に取り上げられ過ぎて、音楽的な部分に関する究明はほとんどされないまま忘却の彼方に消え去りかけている…

…と思ったら、「もしゴーストライターが生身の作曲家でなくAI(人工知能)だったら?」という視点で問題提起を試みた書籍が登場。私も半分当事者として多少内部事情を知る立場に居たので、当時ブログにリアルタイムであれこれ書いたものを再収録する…という形で参加させて貰うことになった。

士郎正宗「攻殻機動隊(Ghost in the Shell)」(1991)の中で、人間やAIの中にある自我や意識をゴーストと呼んでいたが(元のネタはA.ケストラー「機械の中の幽霊(The Ghost in the Machine)」(1967)とのこと)、その延長線上のゴースト・ライターと考えると実に意味深な概念だなと改めて思う。このコロナ禍の時代、音楽が「人から人へ」と感染する媒体ゆえにその存在が危機的な状況となり、ますますネットやAIなどの仮想空間における祭祀になりつつある現代、「音楽は(そして人間は)何処へ行くのか?」という問いかけにも繋がりそうで興味深い。

https://www.aibigeiken.com/store/sn_j.html
http://www.nadiff-online.com/?pid=157316649

2021年2月 1日 (月)

ディアギレフの名馬たち

Ravelstradia FM「ブラボーオーケストラ」の収録にNHKへ。

今回は2月14日(日)放送分で、ラヴェルの「ダフニスとクロエ」第1組曲・第2組曲、ストラヴィンスキー組曲「火の鳥」(1919年版)。バッティストーニ指揮東京フィル。(2021年1月22日第946回サントリー定期より)

2曲とも原曲はディアギレフ率いるロシアバレエ団(バレエ・リュス)が生み落としたバレエ作品だが、このセルゲイ・ディアギレフ(1872-1929)という人物、ペテルブルクの裕福な家に生まれ一般大学の法科で学びつつR=コルサコフに作曲を学んでいたそうで…どこかで聞いたことがあると思ったら10歳年下のストラヴィンスキーと同じ経歴だ。ただ、彼の方は才能に限界を感じて大学卒業後に作曲は諦め、親の遺産を元手にまず美術品のコレクターを始め、やがてパリを拠点にロシア文化を西欧に紹介する展覧会や音楽界を開く興行主となってゆく。

そして、その延長線上にロシアバレエ団を設立。同門の後輩でもあるまだ無名のストラヴィンスキーに「火の鳥」を書かせ、それが大成功したことから一躍音楽界屈指の名プロデューサーとして名を馳せることになる。以後ラヴェル・ドビュッシー・ファリャ・プロコフィエフ・サティ・プーランクら当時の若手中堅どころに次々と新作バレエを書かせ、パヴロワ・フォーキン・ニジンスキーらが踊り振付けし、ピカソ・マチス・ミロ・ローランサンらが舞台美術を手がけ、話題を一身に集めながらロンドン・ローマ・ウィーンからアメリカ各地まで公演しているのだから凄い。

なんだか(写真で見る風貌も含めて)キングコングを連れてきてニューヨークで興行したカール・デナムのような…どこか山師的な怪しげな処もないではないが(笑)、もし彼がいなかったら「3大バレエ」も「ダフニス」もなかったのだから、20世紀音楽の道筋を決定した重要人物であることは確か。
中国の故事で名馬を見出す慧眼を持った人物を「伯楽」と言うが、秀吉や光秀を見出した信長しかり、矢吹ジョーを見出した丹下段平しかり、タモリを見出した山下洋輔・赤塚不二夫しかり、見出される側もそういう人物と出会うか出会わないか・いつどういう形で出会うか、で生涯を大きく左右されるわけで、運命の女神であると同時に人の運命を玩ぶ悪魔メフィストのような側面もあるような気がする。

ちなみに、彼らは(私自身も何人か心当たりがあるのだが)特別な嗅覚と共に普通の人とはちょっと違う嗜好を持っていることが多く、そのせいか見出された側がそのあと純粋に恩人として神のように感謝するかというと…ちょっと微妙と言えなくもない。…それが悪魔の悪魔である所以なのだが(笑。

ちなみに当番組の私の担当はこの3月まで。長年のご愛顧に感謝。

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