N響演奏会ゲスト
NHK交響楽団2月公演。曲目は・スメタナ「売られた花嫁」から3つの舞曲/シマノフスキ「ヴァイオリン協奏曲第1番」(vn:イザベル・ファウスト)/ドヴォルザーク「交響曲第6番ニ長調」。指揮:熊倉優。ゲスト:吉松隆、司会:金子奈緒。
・冒頭スメタナの「売られた花嫁」は、有名な〈序曲〉ではなく、舞曲3つ(ポルカ・フリアント・道化師の踊り)。フリアントが後半ドヴォルザーク第6番の3楽章フリアントと呼応する仕掛け。
・続くシマノフスキの作は、R=シュトラウス(サロメ)やストラヴィンスキー(火の鳥)を思わせる幻想的なサウンドで書かれたヴァイオリン協奏曲。高音でキリキリ歌うヴァイオリンが美しくも官能的。イザベル・ファウストの鉱石のような弦の響きに酔いしれる。
・最後の交響曲第6番ニ長調はドヴォルザークが40歳直前で書いた国際舞台デビュー作。初出版の交響曲と言うことで当時は〈第1番〉と呼ばれていた(かつては新世界が第5番だった)が、本人は第5番という認識だったのだとか。後に習作の第1番の楽譜が見つかって通し番号を付け直したため現在の番号になっている。ウィーンでの初演を目指してかなりブラームスを意識した力作で(ただし最終的にはそれはかなわずプラハ初演となる)ボヘミアの香りは控えめだが、このあと第7番ニ短調・第8番ト長調・第9番ホ短調とぐいぐいクォリティを上げてゆく奇蹟の起点となった曲。若いマエストロの精気漲る演奏でずいぶんこの曲の印象が変わった気がする。(それにしても…解説ゲスト出演の依頼が来たときは曲目を聞いて「何を話そうか?」と戸惑ったほどの渋いプログラムだったが、案ずるより産むが易し(笑)。
放送は2月17日(水)19時〜「ベストオブクラシック:N響演奏会」@NHK-FM。
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