S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら
書籍『S/N』−S氏がもしAI作曲家に代作させていたとしたら
編・著・発行:人工知能美学芸術研究会人工知能美学芸術研究会 ・・・出版(3月中旬発売予定)のお知らせ
S(佐村河内守)氏のアノ事件からもう7年たつ。クラシック音楽界で起きた事件としては珍しくTVのワイドショーや雑誌の三面記事にまで取り上げられ世間の注目を浴びた面白くも奇妙な出来事だったが、耳が聞こえる聞こえないで詐称した部分・および代作に関する虚偽など「詐欺師」の側面が大々的に取り上げられ過ぎて、音楽的な部分に関する究明はほとんどされないまま忘却の彼方に消え去りかけている…
…と思ったら、「もしゴーストライターが生身の作曲家でなくAI(人工知能)だったら?」という視点で問題提起を試みた書籍が登場。私も半分当事者として多少内部事情を知る立場に居たので、当時ブログにリアルタイムであれこれ書いたものを再収録する…という形で参加させて貰うことになった。
士郎正宗「攻殻機動隊(Ghost in the Shell)」(1991)の中で、人間やAIの中にある自我や意識をゴーストと呼んでいたが(元のネタはA.ケストラー「機械の中の幽霊(The Ghost in the Machine)」(1967)とのこと)、その延長線上のゴースト・ライターと考えると実に意味深な概念だなと改めて思う。このコロナ禍の時代、音楽が「人から人へ」と感染する媒体ゆえにその存在が危機的な状況となり、ますますネットやAIなどの仮想空間における祭祀になりつつある現代、「音楽は(そして人間は)何処へ行くのか?」という問いかけにも繋がりそうで興味深い。
https://www.aibigeiken.com/store/sn_j.html
http://www.nadiff-online.com/?pid=157316649
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